(政界地獄耳)安倍の軍門に下った岸田 - 日刊スポーツ(2018年6月22日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201806220000211.html
http://archive.today/2018.06.22-010614/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201806220000211.html

★国会の会期延長は野党の追及の場が増えること。歓迎すべきはずだが、延長に野党は消極的だった。自民党議員が言う。「首相・安倍晋三は早く国会を閉じて追及をかわして総裁選へコマを進めたいはず。野党の本音は安倍3選のほうが攻撃しがいがあるというものだろう。万年野党の考えそうな浅知恵だ」。確かに野党議員からは「安倍が首相でいてくれたほうが野党はやりやすい」という声は聞く。だがそれは戦略でも戦術でもない。
★一方、「安倍を辞めさせられるなら当面は誰でもいい。元自民党幹事長・石破茂でもなんでも安倍政治を終わらせるのならば協力したい」という野党議員もいる。「場合によっては本会議での首班指名で揺さぶってもかまわない」という議員までいる。それには自民党議員も賛同する。「大阪北部地震の夜、首相と党政調会長岸田文雄が会食したがこのタイミングも最悪だが、その直後から『岸田は完全に安倍の軍門に下った。次期総裁選に岸田は出馬しない』といううわさが党内を駆け抜けた」。
★あまりにも安っぽい話だ。少なくとも我が国の首相になろうとする人物と現職の首相がこんな談合を繰り返す。3選を目指す首相の戦略だが、岸田のお粗末ぶりは今後にも禍根を残すだろう。20日夜、首相は副総理兼財務相麻生太郎自民党幹事長・二階俊博麻生派の元経済再生相・甘利明二階派衆院予算委員長・河村建夫らと会食した。当然話題は総裁選だろう。甘利は自分の金銭トラブルで会見を開いて説明すると豪語していたものの、逃げ回りこんな会食だけ顔を出す。河村は少なくとも院の予算委員長。延長国会では加計学園理事長や首相夫人・安倍昭恵、当時の夫人付秘書らが今なお、野党の証人喚問対象だ。同席は慎むべきだろう。自民党幹部とてこの程度となれば政治も安っぽく見えてくる。(K)※敬称略