1住所当たり2枚の布マスクを配布の方針 安倍首相 - NHKニュース(2020年4月1日)

http://archive.today/2020.04.01-142949/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200401/k10012362911000.html

 

性犯罪と処罰 許さぬ仕組みを社会で - 朝日新聞(2020年4月2日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S14426167.html
https://megalodon.jp/2020-0402-0539-15/https://www.asahi.com:443/articles/DA3S14426167.html

被害者が守られ、加害者が適切に処罰されるためにどうすべきか。議論を加速させる時だ。
性犯罪の根絶にむけて、政府は関係する府省庁の会議を設けて対策に乗り出す。法務省では刑法改正の要否や内容についての検討が始まることになった。
折しも今年に入って、性犯罪事件で一審の判断を覆して有罪とする高裁判決が相次ぐ。いずれも昨年春、地裁が被害者の意に反する性交だったと認めながら、結論において無罪としたものだ。衝撃を受けた人々が性暴力に抗議する「フラワーデモ」を始める契機になった。
中でも注目されたのは、当時19歳の実の娘に対する準強制性交罪に問われた父親の事件だ。
名古屋地裁岡崎支部は、過去にこの被害者が抵抗して性交を拒否できた例もあったことなどから、同罪の成立に必要な「著しく抵抗が困難な状態」ではなかったとした。これに対し名古屋高裁は、被害者の精神状態を鑑定した精神科医の尋問を経て、逆の結論を導いた。
女性は判決後、自分のことを「まるで人形のようでした」とふり返っている。長期の性的虐待が何を生むか、改めて社会に知らしめる裁判となった。
性暴力に直面すると、心身が硬直して抵抗できなくなる。それまでの日常や自分らしさを失いたくない気持ちが働き、とりわけ加害者が親しい人だと迎合的に見える振る舞いをしてしまう。そんな被害者の心理が近年広く知られるようになった。
同意を裏づけるものとされてきた無抵抗などが、実は逆の事実を示す場合があることは、司法部内の研修などでも紹介されてはいる。だが十分に浸透していないことが、今回の裁判を通じて浮き彫りになった形だ。
捜査や裁判に携わる者には、こうした知見のうえに立って個々の事案に向き合うことが、今まで以上に求められる。
法制度自体が抱える問題も見過ごせない。性交を強いる犯罪は「暴行・脅迫」を用いたり、「心神喪失・抗拒不能」に乗じたりした場合に成立する。この要件をなくし、同意のない性交は全て処罰すべきだとの声は根強い。性犯罪を厳罰化した17年の改正の際も議論になったが、採り入れられなかった。
撤廃すると、同意の有無をめぐって水掛け論になり、冤罪(えんざい)も生まれるとの指摘に、一定の理がないわけではない。だが世界の流れは見直しにある。意に反する性行為は「性的自由の侵害」であり許されないと、刑法で明確に示す意義は大きい。
フラワーデモは、多くの被害者が長く沈黙を強いられてきたことをあらわにした。その声に社会が応えなければならない。

 

「埋め合わせ難しい」「格差が学びの差に」「行事削減必要」 GW終了まで休校、先生たちはどうみる - 毎日新聞(2020年4月2日)

http://archive.today/2020.04.02-003829/https://mainichi.jp/articles/20200401/k00/00m/040/342000c

 

[内定取り消し]雇用維持へ対策強化を - 沖縄タイムス(2020年4月2日)

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/554937
http://web.archive.org/web/20200402003927/https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/554937

新型コロナウイルスの感染拡大による経営悪化から、新卒者の内定が取り消されるケースが表面化している。県内でも観光関連企業に就職予定だった学生2人の内定取り消しが判明した。
希望の春、胸をふくらませ社会人としてスタートを切るはずだった学生の心情を思うと胸が痛む。経営者は、雇用維持に全力を尽くすという大原則に立ち返り、若者の将来を大きく変えてしまう内定取り消しの回避に動くべきだ。
厚生労働省によると、今春高校や大学を卒業した生徒・学生の感染拡大による内定取り消し数は3月末時点で、全国で23社、58人に上る。卸売りや小売り、宿泊、飲食業で目立つ。
沖縄労働局のまとめでは、県内は1事業者2人。さらに入社日延期が派遣業などのサービス業と、宿泊・飲食サービス業の2事業所で合わせて34人となっている。
内定は解約権を留保した「就労始期付労働契約」に当たり、合理的で社会通念上相当とみられる理由がなければ、取り消しは無効とされる。解約権が、行使できるのは学校を卒業できないといった場合などに限定され、コロナの影響による不況は、直ちにその事由にはならない。
賃金の一部を助成する雇用調整助成金は、新入社員にも適用される。
国は解雇者を出さない場合の助成率を中小企業は90%に、大企業は75%に引き上げた。経営者は、助成金を最大限活用し、雇用と暮らしを守るべきだ。

■    ■

雇用をめぐる環境は厳しさを増している。
日本銀行那覇支店が発表した3月の県内企業短期経済観測調査で、業況判断指数は、
東日本大震災後以来、8年ぶりにマイナスとなった。
企業が、短期的な経営判断に陥れば、来年春以降の採用を大幅に抑制する動きにもつながりかねない。
教訓とすべきは、バブル崩壊後の1990年代半ば以降に起きた極端な就職難だ。就職氷河期とも呼ばれ、非正規雇用増加が進む大きな要因になった。
30代半ばから40代半ばの世代が不安定な雇用環境に苦しみ、正社員と非正規の格差という社会のひずみとなって、今に続いている。
派遣切りや雇い止めが社会不安を招いた過去の教訓を忘れてはならない。弱い立場におかれた非正規雇用者が、労働者全体の約4割を占めており、一層の支援策が必要だ。

■    ■

雇用を守るために、観光関連やイベントなど自粛要請の影響を大きく受けた業界への手厚い支援や補償も求められる。
政府は4月上旬に決定する緊急経済対策で、売り上げが急減しているフリーランスを含む個人事業主に対する助成金を検討する。リーマンショック時の約56兆円を上回る規模となる見通しだ。
感染の広がりを食い止める対策とともに、生活の基盤である雇用を守るため、企業の資金繰り支援強化や中小事業者向け給付金制度の創設をはじめ、スピード感を持った大胆な対策が求められている。

 

芸術文化の苦境 灯を絶やさぬためには - 信濃毎日新聞(2020年4月2日)

https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200402/KP200401ETI090011000.php
http://archive.today/2020.04.02-004125/https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200402/KP200401ETI090011000.php

このままでは芸術文化の息の根が断たれる―。長引く自粛要請で公演や舞台の中止、延期が相次ぐ中、一時の経済的な打撃にとどまらない深刻な文化の危機を訴える声が演劇人や音楽家らから上がっている。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府が公演の中止や延期、規模縮小を要請したのは2月26日だ。「2週間」とした期間を過ぎ、1カ月余を経ても、解除される見通しは立っていない。
多くの人が室内に集まることは感染の恐れを高める。観客や出演者の健康を考えれば、やむを得ない対応ではあるが、長引くとともに現場の苦境は深まっている。
公演を手がけるのは、中小の事業者が少なくない。出演する音楽家や俳優、裏方のスタッフの多くはフリーランスの働き手だ。中止で収入が途絶えれば、経営や生計を直撃する。
ひとたび劇場を閉ざせば、再開が困難になる恐れがあり、それは「演劇の死」を意味しかねない―。劇作家の野田秀樹さんは意見書を公表して訴えた。交響楽団やライブハウスの存続を危ぶむ声も上がっている。取り返しのつかない損失を生む心配がある。
「文化、芸術の灯が消えてしまっては、復活させるのは大変だということは重々承知している」。安倍晋三首相は先週末の記者会見で述べたが、損失の補償には否定的だ。無利子融資のほか給付金を考えるとしつつも、具体的な支援策は示さなかった。
「明けない夜はありません! 今こそ文化の力を信じ、共に前に進みましょう」。宮田亮平・文化庁長官の呼びかけも、何も支援策に触れないのでは、空疎に響く。精神論では乗り切れないと反発を受けたのは当然だろう。
ドイツや英国では支援が具体化している。とりわけドイツは大がかりだ。文化事業に携わる個人や小規模業者に50億ユーロ(およそ6千億円)の財政支援を講じるという。「誰も失望させない」と述べた文化相の言葉に説得力がある。
芸術文化は人が生きていくのに欠かせないものだ。心のよりどころとなって人々を力づけ、生きる希望を与える。社会を不安が覆い、気持ちの余裕を失いがちなときにこそ果たす役割は大きい。
担い手を守ることは政府の責務だ。国の要請で休業を余儀なくされるなら、それによって活動の基盤を失わないようにする手だてを講じる必要がある。同時に、十分な感染防止策を取って活動を続けられる道がないかを考えたい。

 

来年の五輪開催がどう考えても無理な理由、「リモート競技」を検討すべきだ - ダイヤモンド・オンライン(2020年4月2日)

diamond.jp

コロナが世界的に爆発的な広がりを見せる中、東京五輪は「来年7月の開催」を決めた。しかし、ワクチン開発には時間がかかると言われているし、経済がボロボロになる国も多いはず。そんな中で、世界中の人を東京に集めて開催するというのは、再び感染者を増やしかねない方法で、あまりにも非現実的である。(ノンフィクションライター 窪田順生)
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よく言われることだが、海外では「五輪」に日本人ほどの強い思い入れはない。そもそも競技自体を地上波で放映していない国も多く、「そんなのやってたの?」という人も多い。昨年10月、日本政策投資銀行と公益財団法人日本交通社が世界の12地域、6000人を対象として行った調査でも、欧米豪でTOKYO2020について知っていると回答したのは3~4割。ASEAN諸国でも2割前後だ。そのあたりは、デーブ・スペクターさんも「ニューズウィーク」(3月28日)でこのようにおっしゃっている。

アメリカ人の認識では、アスリートはあくまで自分がそのスポーツをやりたいからやっているわけで、国のためにやっているわけでもないし、見ている側もアスリートにお願いしてやってもらっているわけではない。(中略)でも日本はそうじゃなくて、特にそのスポーツのファンでもないのに、必死でがんばってきた選手をみんなで応援しなくてはいけないような雰囲気がある」

アメリカでも、記録を出したり成功した選手のことはものすごく尊敬する。だからといって日本のように、国のためにがんばってくれて有難うございます、というのはない。アメリカはもっとビジネスライク。日本はアマチュアスポーツをよいしょしすぎだと思う」

新型コロナによって、我々の社会は大きく変わらざるを得なくなっている。半世紀以上前に日本人の心に植え付けられた、呪いのような「負のレガシー」はそろそろ捨て去って、民族主義を鼓舞する自己満足的な商業イベントから、本当の意味で「スポーツで平和を実現する」という五輪を目指すべきではないのか。

 

関連)

欧米で話題のファンクショナルトレーニング、クロスフィットとは?

fitness.reebok.jp

 

【私説・論説室から】忖度の果てに幸せあるか - 東京新聞(2020年4月1日)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2020040102000149.html
https://megalodon.jp/2020-0401-1059-06/https://www.tokyo-np.co.jp:443/article/column/ronsetu/CK2020040102000149.html

公文書改ざんを強要され自殺した近畿財務局職員の手記を掲載した週刊文春が、完売したという。森友学園への国有地払い下げ問題で安倍昭恵首相夫人や政治家らの関与を削除する改ざんだった。手記が大きな反響を呼んだのは、末端の職務で汚れ役を強いられ身につまされた人が多かったからではないか。
改ざんを命じた上司らの心が痛んだ様子はみられない。なぜだろうか。それを解き明かす古典を見つけた。
いわく、快楽や待遇で飼いならされ、自発的隷従が習慣となった取り巻きたちが圧制者に気に入られるため、「望みを忖度(そんたく)し、考えを知るために、自分の目、足、手をいつでも動かせるように整えておかねばならない」。その結果の改ざん指示だったと合点がいく。
十六世紀フランスの法務官ラ・ボエシが十代に著した「自発的隷従論」(ちくま学芸文庫)。「エセー」の著者モンテーニュが評価し、フランス王政への抵抗の鼓舞、ソ連スターリニズムの分析などにも援用された。人間の本質を突いた普遍性があるのだろう。
ボエシによると、取り巻きたちは支配者に自由を委ね、隷従するという。ローマ皇帝ネロの側近らが非業の死を遂げたことを例に挙げ、邪悪な圧制者の保護など当てにならないとも指摘する。忖度と不正の果てに、本当の安心や幸せがあるのか。「手記」に続く良心の叫びが上がると信じたい。 (熊倉逸男)

 関連)
「すべて佐川局長の指示です」――森友問題で自殺した財務省職員が遺した改ざんの経緯【森友スクープ全文公開#1】 - 文春オンライン(2020年3月26日号) 

https://kodomo-hou21.hatenablog.com/entry/20200327/1585269388

 

自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)
 

 

朝ドラ「スカーレット」喜美子のモデルが明かす ドラマより壮絶な半生 - 東京新聞(2020年3月31日)

https://megalodon.jp/2020-0401-1040-56/https://www.tokyo-np.co.jp:443/article/national/list/202003/CK2020033102100058.html

関連サイト)
新朝ドラヒロイン“モデル”女性、長男の白血病で決めた覚悟 - 女性自身(2019年10月28日)

jisin.jp

 

東京五輪招致で組織委理事に約9億円、汚職疑惑の人物にロビー活動も - ロイター(2020年3月31日)

http://archive.today/2020.03.31-152834/https://jp.reuters.com/article/olympics-2020-lobbying-idJPKBN21I0RP

 

都公文書館 きょうオープン 歴史的資料の保存や閲覧、国分寺に移転 - 東京新聞(2020年4月1日)

https://megalodon.jp/2020-0401-0913-04/https://www.tokyo-np.co.jp:443/article/tokyo/list/202004/CK2020040102000135.html

 公文書館ホームページ

www.soumu.metro.tokyo.lg.jp

もう、うそをつかなくていい 裁判長が異例の10分間 米田優人 - 朝日新聞(2020年3月31日)

https://megalodon.jp/2020-0401-0912-09/https://www.asahi.com:443/articles/ASN306WZ2N30PTJB01C.html

 

元看護助手 再審無罪 地裁「自白任意性ない」 滋賀・患者死亡 - 東京新聞(2020年4月1日)

https://megalodon.jp/2020-0401-0911-09/https://www.tokyo-np.co.jp:443/article/national/list/202004/CK2020040102000127.html

 

滋賀患者死亡で再審無罪 自白依存の脱却が必要だ - 毎日新聞(2020年4月1日)

https://mainichi.jp/articles/20200401/ddm/005/070/076000c
http://archive.today/2020.04.01-001033/https://mainichi.jp/articles/20200401/ddm/005/070/076000c

あらかじめ立てられた捜査の筋書き通りに自白が誘導され、被告に有利な証拠は開示されなかった。捜査機関は冤罪(えんざい)を生んだ経緯を検証し、信頼回復に取り組まなければならない。
2003年に滋賀県の病院で入院患者の人工呼吸器を外して殺害したとして、殺人罪で服役した元看護助手、西山美香さん(40)の再審(やり直しの裁判)が大津地裁であり、無罪が言い渡された。
大西直樹裁判長は判決理由で、不整脈などによる自然死だった可能性に言及し、「患者が殺害されたという事件性すら証明されていない」と弁護側の主張を認めた。
逮捕から約15年9カ月ぶりに「名誉回復」が現実のものとなった。だが、懲役12年、最初の再審請求から9年半。自由を奪われ、失われた年月はあまりにも長い。
まず浮き彫りになったのは、自白に依存する捜査体質である。
判決は、取り調べの警察官が、軽度の知的障害がある西山さんから恋愛感情を寄せられていたのを熟知しながら、捜査機関のストーリーに整合する自白を引き出そうと誘導したと断じた。
過去の冤罪事件でも密室での取り調べがうその自白を作った。取り調べの可視化は進んでいるが、再発を防止するには、弁護士の立ち会いを検討することが必要ではないか。
警察、検察による恣意(しい)的な証拠の取り扱いも明るみに出た。
検察が189点もの証拠を裁判所に出したのは再審決定後である。うち、58点は警察から検察に渡っていなかった。
「たん詰まりで死亡の可能性」を指摘した医師の報告書が検察に提出されたのは昨年だった。西山さんが人工呼吸器を外していないと主張した自供書も長らく非開示のままだった。
刑事訴訟法は警察が捜査記録を速やかに検察に提出するように定める。捜査の常道から逸脱した行為であり、看過できない。
虚偽の自白に基づく警察や検察のずさんな捜査をチェックできなかった裁判所の責任も重い。
捜査機関は自白に頼る手法から脱却し、客観的な証拠に基づいて捜査しなければならない。二度と冤罪被害者を生まない取り組みを進める責務がある。

 

刑事司法を改革せよ 再審無罪判決 - 東京新聞(2020年4月1日)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020040102000148.html
https://megalodon.jp/2020-0401-0827-29/https://www.tokyo-np.co.jp:443/article/column/editorial/CK2020040102000148.html

やっとこの日が来た。「呼吸器事件」で殺人犯にされた西山美香さんに大津地裁は「事件性なし」と再審無罪を言い渡した。自白の誘導などで殺人事件に仕立てた捜査と司法の責任は、極めて重い。
滋賀県の病院で二〇〇三年、七十二歳の男性患者が死亡。看護助手だった西山さんが「人工呼吸器のチューブを外した」と「自白」して殺人容疑で逮捕され、懲役十二年が確定した。この判決で、死因は自白に沿う「低酸素状態」、つまり窒息状態とされた。
「自白」は虚偽で、鑑定による死因も誤っていた-。今回の再審で無罪を言い渡した判決文は、明確に書いた。「何が何でも有罪を」と前のめりになる捜査と、それをチェックできなかった司法を批判した。
なぜ捜査段階で「自白」したのか。判決は「取り調べの警察官の不当な捜査によって誘発された」と断じる。
その背景として、西山さんには知的障害によって迎合的な供述をする傾向があると認定。取り調べの警察官は、自分に好意を持っていたことに乗じて「西山さんをコントロールする意図があった」とまで述べ、西山さんが捜査側の術中にはまった過程を分析した。
また、死因について無罪判決は、「低カリウム血症による致死性不整脈」などを認定。つまり呼吸器はつながったままの自然死だった可能性が高いと判断した。
今年二月に始まった再審が素早く無罪判決に至ったのは、西山さんの早期汚名返上の見地からは喜ばしいものの、担当の警察官を法廷に呼ぶなどして虚偽の自白に至る経緯を検証してほしかった。
津地裁の裁判長は、無罪判決の言い渡し後、明確な謝罪はなかったものの、西山さんに「刑事司法を改革する原動力にしていかねばならない」と決意を述べた。「もう、うそ(誘導された自白)は必要ない」とも語り掛けた。
この冤罪(えんざい)事件では、捜査のずさんさを見抜けなかった裁判所にも大きな責任がある。最初から数えて七つの裁判体が有罪判決や再審請求棄却を続け、八つ目の大阪高裁がようやく再審開始を決定、最高裁を経て十番目の大津地裁が無罪判決を出した。事件発生から十七年がたっていた。
この間、二十代と三十代を獄中で過ごした西山さんは大きな損失を被った。メンツのための捜査、あるいはいったん下された判決に忖度(そんたく)するような訴訟指揮はなかったか。検証して出直してほしい。