(時代ななめ読み) 統計不正はこれほどヤバい - 西日本新聞(2019年2月17日)

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/reading_oblique/article/487535/
http://archive.today/2019.02.18-005611/https://www.nishinippon.co.jp/nnp/reading_oblique/article/487535/

先週の当コラムで、国会を揺るがしている統計不正問題は、実は昨年9月に本紙が特ダネとして報じていたことを指摘した。
ただ「統計」というなじみの薄いジャンルであるためか、初報から政治問題化まで時間差が生じ、現在でも世論の関心はいまひとつに思える。そこで今週は「統計不正はどれほど大問題か」を、文系脳の私が例えを駆使し、分かりやすく読者に解説したいと思う。
私はひそかに「九州の池上さん」のポジションを狙っているのである。

   ◇    ◇

統計不正問題は多岐にわたるが、本丸の「毎月勤労統計」について論じる。
簡単に説明すれば、厚生労働省はこの統計の作成手法を不正に簡略化。それを途中から「完全版」に近づけるため数値の復元加工をしたところ、結果として実質賃金の伸び率がかさ上げされた。つまり実態より過大に「賃金が上がった」と公表していたのだ。
経済ウオッチャーたちは政府が「不適切な手法でデータを収集、公表」したことに危機感を抱く。
BNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎さんは「そもそも一国の経済運営とは、視界の悪い悪路を、バックミラーを頼りに運転するようなもの」と例える。経済指標の数値はリアルタイムでなく近過去のもの。バックミラーに映る近過去を見ながら、正しい道を進んでいるか判断する、という意味だ。
以前から日本の経済統計には問題点が指摘されていたが「今回の不正発覚で、日本政府のバックミラーは曇りがちだっただけでなくゆがんでいたことが分かった」と河野さん。「これではよかれと思ってやっている政策が、経済に悪影響を及ぼす可能性さえある」
視界不良の中、ゆがんだバックミラーを見ながら車を走らせている運転手を想像していただきたい。今にも道を間違えそうだ。

   ◇    ◇

私はこの問題で「賃金伸び率のかさ上げ」の部分に注目している。アベノミクスがうまくいっていると印象づけるため、伸び率上振れの裏事情を隠していた疑いが生じているからだ。いわゆる「アベノミクス成果偽装疑惑」である。
私なりに、医者と患者のケースで例えてみる。医者から「体温は下がったし血糖値も正常に戻った。治りつつあります」と説明を受けた。しかしその体温や血糖値などの数値が狂っていれば、本当に「治っている」のか全然分からない。
しかも医者が「自分の治療法は正しい」と思わせるために、実態以上の良い数値を告げていた疑いもあるのだ。どんな医者だ?
さて、問題の火付け役である本紙の永松英一郎記者に「統計不正を例えるなら」とお題を出した。2日考えて答えてくれたのが「現代の大本営発表」である。
確かに、故意に過大な数字を出して成果を誇張していたならば、戦時中の大本営発表と同じ構図だ。それに「メディアも国民も踊らされていたのではないか」と永松記者は怒る。数字の上振れに指示や忖度(そんたく)はなかったかが今後の焦点だ。
ゆがんだバックミラー、狂った体温計、そして大本営発表。こう並べれば統計不正の「ヤバさ加減」を分かっていただけるだろうか。簡単に幕引きなどしてはならない問題なのである。 (特別論説委員

 

(時代ななめ読み)「一人旅」を免れた記事 - 西日本新聞(2019年2月10日)

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/reading_oblique/article/485851/
http://archive.today/2019.02.18-011141/https://www.nishinippon.co.jp/nnp/reading_oblique/article/485851/

立派な特ダネ記事なのだが、よその新聞やテレビがどこも追いかけない。そのうち忘れ去られ、結果的に社会にインパクトを与えずに終わってしまう-。そんな状況を、特ダネの「一人旅」と呼ぶらしい。
言い得て妙である。内容は正確で問題意識も優れた記事なのに、なぜか他社が取り上げない。読者の反応は限られ、関心が薄れていく。書いた記者や新聞社にとってはつらい道行きだ。
昨年9月12日、西日本新聞の1面に掲載された記事も、危うくこの「一人旅」になるところであった。

www.nishinippon.co.jp

http://archive.today/2018.09.12-041135/https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/448833/

   ◇    ◇

「統計所得 過大に上昇」「政府の手法変更影響」の大きな見出しに、以下の記事が続く。

「政府の所得関連統計の作成手法が今年に入って見直され、統計上の所得が高めに出ていることが西日本新聞の取材で分かった」
「調査対象となる事業所群を新たな手法で入れ替えるなどした結果、従業員に支払われる現金給与総額の前年比増加率が大きすぎる状態が続いている」
「高めになっているのは『毎月勤労統計調査』」
そう、これは今、政府を揺るがしている統計不正問題の第一報なのだ。
筆者は、東京報道部に所属する永松英一郎記者。経済担当で、あまり敏腕記者っぽくはない、どちらかと言えば地味な感じの中堅記者である。
永松記者はさらに数本の続報を出稿。「上振れを招いた統計作成手法の変更には、麻生太郎財務相の『問題提起』があった」と背景に切り込む記事も出した。
つまり昨秋の時点で、本紙は今国会で与野党攻防の焦点となっている「アベノミクス成果偽装疑惑」の本筋を指摘していたのだ。

   ◇    ◇

しかしこの記事は、いくつかの全国紙がごく地味に「後追い」しただけで、大騒ぎにはならなかった。
昨年12月28日、朝日新聞が夕刊で「厚生労働省が毎月勤労統計で全数調査を怠り、抽出で実施していた」と報じた。

 

www.asahi.com

 http://archive.today/2018.12.28-070133/https://www.asahi.com/articles/ASLDX3HNVLDXULFA00F.html

分かりやすいルール違反の発覚で、各社とも統計不正問題を大々的に報じるようになった。
これが政治問題化していく過程で、昨秋の記事が改めて脚光を浴びた。国会では、野党議員が本紙の記事を示しながら政府を追及する事態に至っている。「一人旅」になりかけた記事は今や「先駆者」の位置付けだ。いや、めでたい。
それにしても、9月から年末までの国会議員、特に野党議員の反応の鈍さは何だったのか。本紙の記事をすぐに読めた九州の議員もいるはずなのだが。

   ◇    ◇

と、偉そうに言ってみたが、実は私も昨秋の特ダネの価値をよく理解していなかった。ざっと読んでスルーしていたのだ。超文系である私の脳が「統計」という単語を見た瞬間に活動を停止したのだと思われる。
これを永松記者に白状したところ「そうですよねー。統計ですからねー」と言ってくれた。統計不正に対する世論の反応がいまひとつなのは、やはり統計というテーマに対する心理的ハードルが高いのも一因だろう。残念なことである。
そこで来週、私は「統計不正がどうして大問題か」を、例え話を駆使して解説しようと考えている。当コラム初の「次回へ続く」である。ご期待を。 (特別論説委員

 

(地獄耳)公式会見の司会進行に「閣議決定」する理由 - 日刊スポーツ(2019年2月18日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201902180000082.html
http://archive.today/2019.02.18-005038/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201902180000082.html

自由党共同代表で参院議員・山本太郎質問主意書で「記者の質問権のみならず国民の知る権利をも侵害されかねない状況だ」と問うたことに対して15日、政府は「必ずしも簡潔とは言えない質問が少なからずある。今後とも長官の日程管理の観点からやむを得ない場合、司会者がこれまでと同様に協力呼び掛けなどを通じて、円滑な進行に協力を求める」との閣議決定をした。また閣議決定だ。同時に会見は「内閣記者会が主催するもので政府が一方的に質問を制限できる立場にない。あくまで協力依頼にすぎない」とした。

★その通りだ。そもそも内閣記者会が主催しているのならば司会者が質問を遮ることも理屈にならない。首相官邸で会見を仕切る官邸報道室長・上村秀紀は内閣記者会とどういう関係なのか。内閣記者会が上村に司会を要請しているのか。協力依頼どころかこの会見の構造自体に問題があるとは思えないのか。本来、官房長官の日程のコントロールが上村の仕事であり、質問制限は「あと1問だけ」とか「もう時間です」だけが発言すべきことではないのか。

官房長官会見は政府が国民に伝えたいことを言い、記者が聞きたいことを聞く場所だ。政府の発言はいずれも公式なものになる。ただ、安倍内閣になってから会見場では復興相・今村雅弘(当時)が記者に激高し、「ここは論争の場ではない。ここは公式の場なんだよ。人を誹謗(ひぼう)中傷するな、出ていけ。2度と来るな」と言い放ったり、外相・河野太郎が質問に答えず「次の質問」と繰り返すなど、聞きたくない質問、都合の悪い質問を遮るような、その先に国民がいることを無視する対応が続いている。会見は記者たちが質問できる公式の場だ。そして政府と記者が国民の代わりに対峙(たいじ)する場所にもなる。「閣僚の不遜な態度は国民に伝わっている」ことも閣議決定して欲しい。(K)※敬称略

 

[大弦小弦]顔に出血の痕が残る男性が静かに語った。「私はヘイトクライムの犠牲になった」… - 沖縄タイムス(2019年2月18日)

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/386070
https://megalodon.jp/2019-0218-0921-56/https://www.okinawatimes.co.jp:443/articles/-/386070

顔に出血の痕が残る男性が静かに語った。「私はヘイトクライムの犠牲になった」。ラグビーの英西部ウェールズ代表で活躍した名選手、ガレス・トーマスさん(44)。ゲイであることを公表していて、それを理由に襲撃された

▼昨年11月の事件翌日、「前向きなメッセージを」と語る動画をネット投稿した。「私たちを傷つけようとする人は多い。でも残念だろうけど、傷を癒やすのを助けてくれる人はもっと多い」

▼警察に「修復的司法」適用を申し出て、受け入れられたと感謝した。英紙報道によると、加害者の少年は謝罪した

▼加害者が被害者と顔を合わせ、与えた傷を知る。被害者は罪の背景を知る。対話と理解を探る手法。欧米で生まれ、日本でも導入の動きがある

石垣市で起きたネット上のヘイトスピーチ事件は名誉毀損(きそん)罪で裁かれたが、罰金10万円。同種事件は常に傷が深く、罰は軽い。加害者が反発したまま終わる恐れもある。根絶には、修復的司法も役割を果たせそうだ

▼被害者の勇気と加害者の真摯(しんし)な姿勢には先例がある。読谷村チビチリガマ遺族会は、戦争遺跡を荒らした少年たちと時間をかけて向き合った。戦争も、壊した千羽鶴の意味も知らなかった少年は「自分で作って持って行った時、ああこういう大切な場所なんだと気付かされた」と話している。(阿部岳)

 

辺野古「反対投じる」67% 沖縄世論調査「県民投票行く」94% - 東京新聞(2019年2月18日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019021802000123.html
https://megalodon.jp/2019-0218-0923-13/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019021802000123.html

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共同通信社は十六、十七両日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)移設を巡る県民投票について県内で電話世論調査を実施した。投票に行くと答えた人のうち「反対」を挙げた人は67・6%で、「賛成」は15・8%、「どちらでもない」は13・1%だった。政府は投票結果を尊重するべきだとの回答は全体の86・3%に上った。
期日前投票不在者投票を済ませたという人を含め、投票に行くと答えたのは94・0%だったが、県民投票は投票率が焦点の一つとなっており、実際の投票率により結果は変わる可能性がある。辺野古移設のための埋め立てを問う県民投票は一部の離島を除き二十四日に実施される。
投票先とは別に、辺野古移設の賛否を尋ねたところ「反対」「どちらかといえば反対」は72・8%、「賛成」「どちらかといえば賛成」は21・3%だった。
反対の理由は「沖縄に新たな基地は不要だから」が39・1%、次いで「普天間は県外や海外に移設するべきだから」が19・7%。賛成の理由は「普天間の危険性をなくす必要があるから」が54・9%で、「日本の安全保障には必要だから」が18・6%で続いた。
投票先を「どちらでもない」とした人の61・3%は「『賛成』『反対』とはっきりとは言い切れないから」を理由に挙げた。投票に「行かない」「たぶん行かない」は4・9%。理由は30・8%が「県民投票に意味があるとは思えないから」とした。
政党支持率自民党が17・7%、立憲民主党7・4%、社民党5・7%、共産党5・0%、公明党3・5%、沖縄社会大衆党2・6%。「支持する政党はない」とした無党派層は48・0%。

<調査の方法> 沖縄県内の有権者を対象に十六、十七両日、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。実際に有権者がいる世帯にかかったのは千四百七十件、うち千四十七人から回答を得た。

 

【私説・論説室から】増殖を続ける米軍 - 東京新聞(2019年2月18日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019021802000132.html
https://megalodon.jp/2019-0218-0924-50/www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019021802000132.html

防衛省は米空母艦載機の離着陸訓練(FCLP)施設として、鹿児島県西之表市の馬毛島を取得することを決めた。米軍基地はとめどなく広がるのだろうか。
実例がある。昨年三月、米空母艦載機が神奈川県の厚木基地から山口県岩国基地へ移駐した。だが、日本政府が求めていないことから厚木基地は一平方メートルも返還されていない。岩国基地には日本政府のカネで移駐に伴う各種施設が造られており、米軍は労せずして艦載機が利用できる厚木、岩国という二つの基地を手に入れたことになる。
馬毛島にFCLP施設ができれば、岩国から遠い硫黄島のFCLP施設は使われなくなるだろうが、米軍は手放さない。厚木同様、おそらく日本側が返還を求めないからだ。
沖縄の普天間飛行場だって変わりない。
二〇一七年六月、稲田朋美防衛相(当時)は普天間飛行場の返還をめぐり、参院外交防衛委で「(緊急時の民間施設の利用について)米側と協議、調整が整わない限り、返還がなされないことになる」と明言した。
条件が整わなければ、普天間返還が実現しないのだとすれば、安倍晋三政権がやるべきは辺野古新基地の建設強行ではない。米政府に沖縄の民意を伝え、どうすれば普天間返還が実現するか誠実に協議することである。
米政府の圧力を地元につけ回すだけの政府でいいはずがない。 (半田滋)

 

社会復帰へ「Chance」を!! 受刑者を求人誌で支援 - 東京新聞(2019年2月18日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019021802000108.html
https://megalodon.jp/2019-0218-0920-55/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019021802000108.html

全国の刑務所に届けられる受刑者向け求人情報誌がある。まもなく創刊一年を迎える「Chance(チャンス)!!」だ。編集長の三宅晶子さん(48)は中学時代から非行を繰り返し、紆余(うよ)曲折の半生を送ってきた。「絶対にやり直す」と誓う受刑者の社会復帰を後押ししている。 (木原育子)
「全社身元引き受けOK」「全社寮完備」。来月一日から配布予定の春号では建設、飲食など全国二十一社を紹介。各社の代表者が「本気でやり直したい人を応援します」などのメッセージを寄せている。
「どんな人でも必ず自分の過去を価値に変えられる」。「不良少女だった」と振り返る三宅さんは自らの経験を重ねる。三宅さんは新潟市出身。酒、たばこ、万引、ケンカ…。中学時代、銀行に勤める厳格な両親に反発した。高校は五カ月で退学処分を受けた。「私なんてどうでもいいでしょ」。両親に逆らうことで自分が生きていることを確かめているようだった。
飲食店に就職してまもなく、店に訪ねてきた父親から一冊の本を勧められた。「我思う、ゆえに我あり」で知られる哲学者デカルトの主著「方法序説」だ。読破しようと試みたが、理解できない。「学び直そうかな」。再び高校に入学し、二十歳で卒業した。
早稲田大第二文学部を経て、大手商社に就職した。だが、もっと人に関わる仕事がしたいと、二〇一四年に退社。人材育成の分野で再就職を目指す中、受刑者を支援する団体の活動に参加した。
そこで直面したのは、犯罪・非行歴のある人たちの社会復帰が容易でなく、再犯に手を染めてしまう現実だった。暗闇の中で必死に居場所を探す姿は、若いころの自分を見ているようで苦しかった。
「生き直す手助けがしたい」。一五年、受刑者らの就職や教育を支援する「ヒューマン・コメディ」(東京都豊島区)を設立した。社名は、大好きな米作家ウィリアム・サローヤンの本のタイトルからとった。そして昨年三月に「Chance!!」を創刊し、編集長に就いた。受刑者向け求人情報誌は日本初だった。
「Chance!!」は、昨年春、夏、秋、冬の四号を発行。刑務所だけでなく、少年院にも届けている。これまで延べ六十社以上の求人情報を掲載。受刑者ら約七十人から応募が寄せられ、このうち二十九人が採用された。さらに求人を掲載する企業を募っている。
受刑者らは専用の履歴書に犯罪・非行歴、再犯しないための決意や具体策などを記入。希望する就労先の社名を書き、「ヒューマン・コメディ」に送付する。施設を出た後、すぐに仕事を始められるよう刑務所や少年院、拘置所内で面接を受けることができる。
「こんな俺でもやり直せるのか」。「Chance!!」を手にした受刑者らからの手紙は、問い合わせや人生相談も含めて二百人分を超えた。三宅さんは一人一人に返事を書いている。「いくらでもやり直せる。後戻りせず、一緒に前に進もう」と。

◆再入所者の7割が無職 再犯防止へ就労先課題
刑務所などを出ても、帰る場所や仕事がなければ再犯につながりやすく、悪循環に陥ってしまう。就労確保が課題になっている。
法務省によると、刑務所に再入所した人のうち、再犯時に仕事がなかった人の割合は約七割。仕事がない人の再犯率は仕事がある人の約三倍に上るという。
出所者らの就労を支える「協力雇用主」は全国約二万社が登録。しかし、実際に出所者らを雇用している事業主は約九百にとどまる。法務省は就労奨励金などの制度を設け、幅広い業種の事業主に登録を呼び掛けている。同省のコレワーク(矯正就労支援情報センター)は事業主に向け、雇用ニーズと合った人がいる矯正施設を紹介し、採用手続きを支援している。

 

<ひと ゆめ みらい>体験通し「平和の尊さ」口演 落語家・柳家さん八さん(74)=江戸川区:東京 - 東京新聞(2019年2月18日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201902/CK2019021802000120.html
https://megalodon.jp/2019-0218-0926-40/www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201902/CK2019021802000120.html

「落語家として多くの人に平和の大切さを伝えたい」。犠牲者が推定十万人に上る東京大空襲を落語で伝える「東京大空襲夜話」を、全国各地で十年以上、演じ続けている。
東京の下町、江戸川区平井の「江戸時代みたいな長屋」で生まれた。生後半年たった一九四五年三月十日、東京大空襲の夜、猛火の中を乳飲み子の自分は母に負ぶわれ、足の不自由な祖母を背負った父と四人で命からがら生き延びた。
二十二歳で落語家の五代目柳家小さん師匠に弟子入り。従軍経験が長い師匠は「おまえら、いい時代に生まれたよ。戦争ってのは勝っても負けてもするもんじゃねえ」とお酒の席で語っていた。
戦後六十年のタイミングで「はなし家として、自分にできる落語で東京大空襲を寄席芸にできないか」との思いが募った。終戦後、幼い自分に一つ布団の中で祖母から伝えられた大空襲の記憶を、「ある一家の話」としてまとめて落語に。
地域の防空や消防活動を担う警防団員だった父が空一面のB29に驚く場面や、一家で逃げ惑い、防空壕(ごう)に入れず江戸川区の中川新橋の下で難を逃れるまでの様子を情景豊かに演じる。最後には、ほっとする仕掛けがある。
二〇〇四年の初演以来、各地の小中学校や地域寄席などで依頼を受け、年十回ほど巡演を続ける。落語を聞いた子どもたちから感想として「今が平和で良かった」などと素直な意見が寄せられ、やりがいを感じる。
しかし戦後年月が経過し、「今は子どもたちの親や、その親まで当時を知らない人が多くなっている」。長年演じる中で、聞き手の反応を感じながら少しずつ工夫を重ねる。「筋と人は変わってないけど、表現の仕方やなんかは随分変わってきてるんですよ」。冒頭に演じる小さん師匠との軽妙な「へぇ、そうなんですか」「それで」などの会話のやりとりを多く盛り込み、自然な形で若い世代にもより分かりやすくしてきている。
「自分も今年は後期高齢者。戦後生まれの人たちに聞いてもらって、なぜ今自分たちが豊かな生活をしているか考えてもらいたい」と話す。大空襲夜話をライフワークと位置付け、「同じ過ちを繰り返さないよう伝承していくために、これからもほそぼそと続けていきたい。口がきけるうちはね」。  (長竹祐子)

江戸川区南葛西在住。本名は清水聡吉。1966年、5代目柳家小さん師匠に入門。81年真打ち昇進。2006年落語協会監事に就任。都内各寄席や地域寄席に出演しながら「東京大空襲夜話」の公演も続ける。著書に「実録噺・東京大空襲夜話」(新日本出版社)、息子との共著「八っつあんの落語一代記」(彩流社)。

 

<アウティングなき社会へ> (中)「彼は昔の自分」命守る制度を - 東京新聞(2019年2月18日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019021802000109.html
https://megalodon.jp/2019-0218-0927-46/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019021802000109.html

二〇一六年夏、五輪の高揚感の真っただ中にあったブラジル・リオデジャネイロ。松中権(ごん)さん(42)は、ホテルで見たネットニュースに血の気が引いた。同性愛者であることを無料通信アプリ「LINE(ライン)」の同級生グループ内で明かされた後、校舎から転落死した一橋大の法科大学院の男子学生=当時(25)=の遺族が、大学などに損害賠償を求める訴訟を起こしていたのだ。同大は松中さんの母校である。「彼は、かつての自分だ」
大手広告会社電通の日本政府首相官邸担当営業として出張中だった。同性愛をひた隠しにした大学時代がフラッシュバックする。過呼吸に襲われ、「東京五輪を(性の多様性を表す)レインボーに」と浮かれていた気分は吹き飛んだ。
大学時代は「何とかつじつまを合わせ、ごまかし、うそをつき、笑い、楽しんでいるふりをした」。四年生の時、逃げるように留学したオーストラリアで男性同士が堂々と手をつないで歩く姿に励まされ、初めて周囲に打ち明けた。
入社八年目、研修で半年間滞在した米ニューヨークでも、同性愛者が生き生きと働く姿を目の当たりにした。帰国後の一〇年、LGBTなど性的少数者を支援する団体を設立。そのころから徐々に職場で打ち明けた。
LGBT団体では明るく楽しく、ポジティブに発信する一方、「人権問題」の面を強調するのは避けていた。しかし、男子学生の転落死で考えを改めた。「これは人権問題であり、命を守る法制度が必要だ」
電通を退職し、LGBTの活動に専念。差別をなくす法制度を求める集会を国会で開いたり、困窮するLGBTの人が使えるシェルターの開設を支援したりした。「社会は勝手に変わってくれない」と覚悟する。
異性を好きになるか、同性を好きになるかといった「性的指向」などを本人の意思に反して公表する「アウティング」は、男子学生の転落死をきっかけに社会問題化しつつある。
遺族の提訴が報道された後、国際基督教大(東京都三鷹市ジェンダー研究センターは、学生の不安を解消する努力を約束し、LGBTを含む少数者対応の見直しを学内外へ向けて呼び掛ける声明をホームページに掲載した。
当時のセンター長、生駒夏美教授は「転落死は、差別意識が厳然と存在するのに、LGBTという言葉だけ表面上もてはやされる現状をあぶり出した」と振り返る。一七年三月には、人権についての学長宣言が発表され、「アウティングを含むセクシュアルハラスメントの根絶を目指す」との旨が明記された。
一橋大の地元である東京都国立市は昨年四月、アウティングを禁じる全国初の条例を施行した。
男子学生の父親は、松中さんの存在を関係者を通じて知った。「こうして動いてくれる人がいるのは心強い。もっと早く、息子と知り合ってくれていたら」と複雑な胸の内を明かす。母親は、報道などで見聞きした国際基督教大国立市の動きに励まされたという。「少しでも世の中が変わっていくなら、息子は永遠に生きていると思えます」

 

憲法ソング作詞し大賞 土浦の小1・尾池ひかりさん:茨城 - 東京新聞(2019年2月18日)

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https://megalodon.jp/2019-0218-0929-07/www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201902/CK2019021802000143.html

土浦市の小学生の女の子が曽祖母の戦争体験を基にして作った詩に曲が付けられ、「憲法ソング わたしのねがい」として日本弁護士連合会(日弁連)のホームページ上で公開されている。「いのちをつなぐけんぽう」と刻み、平和への願いを込めている。 (水谷エリナ)
作者は小学一年、尾池ひかりさん(7つ)。曽祖母の石崎美代子さん(92)の戦時中の体験談を基に考えた。石崎さんは出征する近所の人を駅で見送った帰り道、戦闘機に見つかって機銃掃射で狙われた。近くの家に駆け込み、難を逃れたという。
詩では「えきでへいたいさんをみおくったかえり、ひこうきがとんできて/『きじゅうそうしゃ』でやられそうになったって。/はしってはしってはしってようやくにげたって。」とリアルに再現した。
体験談を語り継いだのは尾池さんの母親。子どもの頃から石崎さんに聞き、それを尾池さんに伝えていた。詩は、曽祖母が生き残り憲法の下、祖母や母、自分へと命がつながったとして「へいわをまもるけんぽう」が、大人になっても「このままのけんぽうであること」を願うと結ぶ。
尾池さんは「(曽祖母の話を)思い出すのが怖かったけど、すぐに書けて良かった。戦争を知らない人も、知ってもらえるんじゃないかな」と期待する。
作品は、日弁連憲法の大切さをつづった詩を募集した「憲法を詩(うた)おう♪ コンテスト」で昨年、三百九十点から大賞に選ばれた。
作曲を担当したのは、コンテストの審査員の一人で作曲家の谷川賢作さん。日弁連には「機関紙に載せたい」などの問い合わせが寄せられているという。
憲法を分かりやすく解説した「檻(おり)の中のライオン」(楾(はんどう)大樹、かもがわ出版)を読むなど、日頃から憲法への関心が高い尾池さんは「憲法は人を守るもので、憲法があるから平和だと分かった」と話している。
日弁連の「憲法を詩(うた)おう♪ コンテスト」で大賞に輝いた尾池ひかりさんの詩は次の通り。

わたしはせんそうをしらない。

おかあさんもしらない。

おばあちゃんもしらない。

でも、ひいばあちゃんはしっている。

えきでへいたいさんをみおくったかえり、ひこうきがとんできて

「きじゅうそうしゃ」でやられそうになったって。

はしってはしってはしってようやくにげたって。

ひいばあちゃんがいきたから

おばあちゃんがうまれ、

おかあさんがうまれ、

そしてわたしがうまれた

へいわをまもるけんぽう

いのちをつなぐけんぽう

わたしがおおきくなっても

このままのけんぽうであること

それがわたしのねがい

 

<税を追う>辺野古工費280億円増 契約変更、発注数の7割 - 東京新聞(2019年2月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019021702000162.html
https://megalodon.jp/2019-0217-1457-20/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019021702000162.html

沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設で、防衛省沖縄防衛局が二〇一四年度以降に発注した八十三件の工事や調査のうち、七割の五十八件で契約変更をしていたことが本紙の調べで分かった。契約直後に変更したり何度も変更を繰り返したりして、当初の契約額から総額で約二百八十億円も膨らんでいた。政府は総事業費をあいまいにしたまま工事を強行しており、場当たり的な発注が契約変更の乱発を生み、工費の高騰を招いている。 (中沢誠)

 

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本紙は、辺野古での工事が本格化した一四年度から今年一月までの契約について、防衛省に情報開示請求したり、沖縄防衛局の窓口で閲覧したりした。
契約変更があった五十八件のうち金額に増減があったのは四十三件。当初の契約額を集計すると、辺野古の事業全体で千百三十四億円だったが、変更の結果、千四百二十億円にまで膨らんでいた。
辺野古の埋め立て工事を巡る県と国の法廷闘争や悪天候などで、工事が中断して工期が延びたケースもあるが、防衛局の契約記録によると、「設計精査」や「現場精査」を理由に費用が膨らんだケースが目立つ。
埋め立て工事は、入札から一カ月もたたないうちに契約を変更。埋め立て用土砂の素材を一部変えたため業者との間で契約額を変更したが、入札をやり直すことはなかった。
仮設桟橋やブイを設置する埋め立て準備工事は一年半で十回も変更し、契約額は五十九億円から百三十九億円と二倍以上に跳ね上がった。工事の受注業者に警備業務まで追加発注し、契約内容を変更していた。別年度では、警備業務は単独で入札・発注していた。
沖縄平和市民連絡会のメンバーで、公共工事の業務に長年携わってきた北上田毅(つよし)さんは「埋め立ての準備工事と警備業務は別業務であり、本来なら新たに入札にかけるものまで契約変更で済ましている。公正な競争を阻害している」と疑問を投げ掛ける。
軟弱地盤の存在が指摘されている埋め立て区域の複数の護岸工事でも、契約変更が繰り返されている。まだ護岸本体の工事が始まってもいないのに多いところでは七回も変更し、四十億円以上、膨らんだ工事もあった。
県が埋め立て工事を承認して五年以上たつのに、防衛局が県に示した実施設計は一部だけで、軟弱地盤のある海域はほとんど手付かずの状態。総事業費についても「三千五百億円以上」としか答えていないが、契約総額は既に千四百億円を超えている。
政府は、海面から七〇メートルの深さまで約六万本の砂の杭(くい)を打つ大規模な地盤改良を検討しており、実施されればさらなる工費高騰は避けられない。
沖縄防衛局は本紙の取材に「工事を進める上で必要な契約変更を実施している」と答えている。

 

<アウティングなき社会へ> (上)同性愛暴露され心に傷 - 東京新聞(2019年2月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019021702000147.html
https://megalodon.jp/2019-0217-1458-43/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019021702000147.html

「LGBT」という言葉とともに性的少数者の存在は広く知られるようになってきた。一方で差別や偏見も根強く残り、性的指向などを他人が暴露する「アウティング」と呼ばれる行為で深く傷つけられる人々もいる。二〇一五年に一橋大(東京都国立市)のキャンパスで転落死した男子大学院生=当時(25)=もアウティングの被害を受けていた。遺族は大学を訴えており、二十七日に東京地裁の判決を迎える。言葉を凶器としないため、互いに何を理解するべきかを考える。
男子学生が愛用したチェロが、実家の部屋の納戸にひっそりとしまわれていた。「自分は愛を語れないけれど、今からチェロで演奏します」。大学の集まりで学生はそう言って、自己紹介代わりに英国の作曲家エルガーの「愛の挨拶(あいさつ)」を披露したという。五歳から習い始め、中高ともオーケストラ部で活躍した。愛知県内に住む両親は、チェロを大事そうに出して懐かしんだ。
一五年八月二十四日、弁護士を目指し一橋大法科大学院で学んでいた学生は、授業中に校舎から転落して亡くなった。二カ月前、告白した男子同級生にゲイ(男性同性愛者)であることを仲間内で暴露され、吐き気や不眠など心身に不調をきたし、心療内科にも通院していた。
家族にはゲイであることを話していなかった。死後、大学側から伝えられた父親は「驚きはあったけど、だから何なのと。亡くなったことが何よりもショックで」。
明るくて、頑張り屋だった。友人も多く、高校ではバンドを組んだり、新潟県中越地震の被災地へボランティアに出掛けたり。一人暮らしの部屋には、海外の珍しい調味料が並んでいた。
様子がおかしいと母親が感じたのは、一五年七月上旬。電話口で泣いていた。理由は教えてくれなかった。心配で「ごはん食べた?」などと、たわいのないメールを毎日送った。
八月中旬に帰省した時はほとんど外出しなかったが、一人だけ男性の友人(28)に会った。この友人には高校三年の時、恋愛感情を告白していた。友人は「今までと同じく、仲の良い友達でいよう」と答え、その通りの関係が続いていた。
友人は、一緒にあんかけスパゲティを食べた後、学生に元気がないことに気付いた。「大丈夫か?」と聞くと、「友人関係に苦しんでいる」と答えたという。「あと半年でお互い卒業だから、もう少し頑張り抜こうと約束したんです」
学生は当時、クラス替えなどを求めて担当教授や大学のハラスメント相談室に相談し、内容をパソコンに残していた。それを読んだ妹(26)は法廷で「兄は同性愛を苦にはしていなかった。アウティングをされて以降、目がうつろになり、理解を欠いた大学の対応で悪化した」と訴えた。
母親には消えない後悔がある。息子が高校生の時、同級生の親から「ゲイ、ゲイってからかわれているよ」と教えられたが、気にせずそのままにした。「あの時、『ゲイって言われてもお母さんは気にしないよ、個性でしょう』と言ってあげられていたら」。弾き手のいなくなったチェロを触りながら、涙をこぼした。

(この連載は奥野斐が担当します)

<一橋大アウティング裁判> 訴状などによると、一橋大法科大学院の男子学生は2015年6月、同級生約10人が参加する無料通信アプリ「LINE」のグループに同性愛者だと書き込まれ心身に不調をきたし、同年8月24日、校舎から転落死した。両親は16年に同級生と大学に損害賠償を求めて提訴。大学がセクハラ対策を怠ったほか、ハラスメント相談室の担当者が学生と面談して状況を把握しているのに、適切な対応をしなかったと訴えている。同級生とは昨年、和解が成立。大学側は「対応に落ち度はなかった」と主張している。

 

世田谷養護施設虐待「殴る蹴る、5年前から」 少女、元職員に被害訴え- 東京新聞(2019年2月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019021702000148.html
https://megalodon.jp/2019-0217-1500-04/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019021702000148.html

東京都世田谷区の社会福祉法人「福音寮」が運営する児童養護施設で、入所中の十代少女が四十代の女性職員から虐待を受けていた問題で、施設に勤めていた元職員が本紙の取材に応じ、少女から「殴られたり蹴られたりした」「五年前からあった」などの話を聞いたと証言した。元職員は都の児童相談所に通告。女性職員は内部調査に対し、暴力を否定している。 (石原真樹、岡本太、森川清志)
元職員によると、少女から初めて暴力被害の話を聞いたのは昨年五月。少女は、園長(施設長)や他の職員に言うと「(加害職員に)伝わったらもっとやられるかもしれない」と、だれにも相談できなかったと明かしたという。
元職員はすぐに、少女が暴力を受けた話などを児相に通告した。少女はその後、詳しく話をするようになり、「やることが遅い」などの理由で足を蹴られたり、顔や頭を平手や拳で殴られたりしたほか、投げ飛ばされる、正座の状態で太ももに乗られるなどされたと告白した。五年ほど前から被害を受けたという。
職員が一人勤務の時に少女や職員の部屋で暴力を受けたといい、「つらかった」「アザを見ると死にたくなる」と話したという。
通告を受けた児相は、少女を連れてくるよう施設に連絡。ところが、施設は職員による虐待の調査と聞いていなかったため、この女性職員が少女に同行。職員は聞き取り調査に同席しなかったが、少女は十分に被害を訴えられなかった可能性がある。都は後日、少女からあらためて聞き取りを実施したが少女から暴力の話は出なかったとみられる。
飯田政人施設長によると女性職員は聞き取り調査で、少女が言うことを聞かないときに頭をコツンとたたいたことは認めたが、殴る蹴るの暴力や、太ももにのる行為は「していない」とはっきり否定したという。
都は九月、暴力は確認できないとし、「みんなが困っている」など女性職員の暴言による心理的虐待を認定し、施設に改善指導を行った。しかしその後、女性職員の暴力に関する別の通告があり、都は再調査している。
女性職員は昨年六月に少女の担当を外れ、今年一月に退職している。

 

首相「自衛官集6募割が協力拒否」 山口・下関 首相の地元、名簿提供せず - 東京新聞(2019年2月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019021702000159.html
https://megalodon.jp/2019-0217-1501-06/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019021702000159.html

安倍晋三首相の自衛官募集を巡る発言に地方自治体から反発や疑問の声が相次いでいることが十六日、共同通信社の調べで分かった。十日の自民党大会で「(自治体の)六割以上が協力を拒否している」と語ったが、住民基本台帳の閲覧を含めると市区町村の約九割が自衛官募集に協力しているからだ。首相が憲法九条への自衛隊明記案と関連付けている点が不満に拍車を掛けている。

    ◇

安倍晋三首相のお膝元・山口県下関市自衛官募集への協力に関し、適齢者の名簿を提供していないことが分かった。市町村の六割以上が「協力を拒否している」との首相発言は、結果的に自身の地元自治体にも向けられたことになる。
下関市は名簿は提供していないが、自衛隊による適齢者情報の閲覧を認めている。自衛隊地方協力本部から名簿提出の要請はないといい、市の担当者は「拒否と言われてもどうしようもない」と共同通信の取材に語った。
首相の選挙区、衆院山口4区は下関、長門両市で構成。下関市の前田晋太郎市長は首相の元秘書。

 

精神科、身体拘束1万2000人 17年度最多更新 6割は高齢者 - 東京新聞(2019年2月17日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019021702000158.html
https://megalodon.jp/2019-0217-1502-43/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019021702000158.html

精神科病院で手足をベッドにくくりつけるなどの身体拘束を受けた入院患者が、二〇一七年度に全国で一万二千人強に上り、六割は高齢者だったことが厚生労働省の年次調査で分かった。施錠された保護室に隔離された患者も一万三千人近くいた。一七年度から調査方法が変わったため、過去と単純には比較できないが、いずれも最多を更新した。
精神保健福祉法で拘束や隔離が認められるのは、本人や他人を傷つける恐れなどがあり、指定医が「ほかに方法がない」と判断した場合に限られる。患者団体や専門家からは「実際には安易に行われ、長時間の拘束で死亡する例も出ている。人権侵害の恐れがある」との指摘が出ている。
拘束は十年間で一・八倍、隔離は一・六倍に増えた。厚労省は「増加の要因は分析できていない。不要な拘束などをしないよう引き続き求めていく」としている。
入院期間別に見ると、拘束が必要なケースは、暴れるなど激しい症状で入院してきた直後に多いとされるが、入院期間が一年以上の長期患者が51%を占めた。都道府県別では、病床数が多い北海道が千二百九十七人で最多。埼玉県の千二百三十八人、東京都の九百八十二人が続いた。最少は和歌山県で十五人だった。
隔離は一万二千八百十七人で、統合失調症の患者が65%を占めた。

<精神科の入院患者> 厚生労働省の調査では、2017年6月末現在、精神科の病院ベッドは全国に約32万8000床あり、約28万4000人が入院している。入院期間の長期化で患者の高齢化が進んでおり、65歳以上が58%に上る。疾患別では、統合失調症・妄想性障害が半分以上を占めるが、認知症の人も16%いる。1年以上の長期入院者が61%で、約5万5000人は10年以上入院している。12年ごろのデータでは、日本の人口当たりの精神科ベッド数は先進国最多。平均入院日数も300日近くで突出して長い。
厚労省は毎年度、総合病院の精神科病床を含めた六月末時点の状況を調べており、指定医から拘束や隔離の指示が出ていた人数を集計。一七年度からの調査方法の変更で、これまで分からなかった年代別や疾患別などの内訳も初めて判明した。
拘束には、点滴を抜かないよう手指の動きを制限するミトン型手袋の着用なども含まれるとみられ、全体で一万二千五百二十八人。六十五歳以上の高齢者が64%を占めた。疾患別では統合失調症・妄想性障害が44%と最も多く、認知症の人も27%いた。