【政界地獄耳】自民の闇広げる1億5000万円のカネの流れ - 日刊スポーツ(2021年6月5日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202106050000116.html

自民党政調会長岸田文雄と党幹事長・二階俊博の発言がグダグダだ。公明党関係者が言う。「国民が政治とカネに敏感な時期に、広島の1億5000万円が党から支出された問題は自民党の闇を広げただけでなく、説明責任が問われるものだ。これで直近の都議会議員選挙や衆院選挙が戦えるのか。もやもやしたままでは選挙に突入できない」と心配する。確かにこのカネの流れをちゃんと究明せよと言ったのは岸田だが、最近は何も言わなくなった。

★岸田にとっては総裁選挙出馬のかかる党再生プランと岸田自身の復権のかかる賭けだったはずだが、今は何も言わないどころか、前首相・安倍晋三が最高顧問に就いた「半導体戦略推進議員連盟」(会長・甘利明税調会長)にもちゃっかり参加。加えて派閥横断の格差是正などの経済政策を考える「新たな資本主義を創る議員連盟」を自ら11日に発足する。3日には発起人会も開いた。岸田は会長に就くがここにも甘利が名前を連ねる。この1億5000万円のカネの流れは当初、広島担当の選対委員長・甘利の名前が挙がったりしていた。二階は「責任は総裁と幹事長」と言っていたが、2つの議連のことを見ればそんなことは終わったことと岸田はどこ吹く風だ。

★二階も先月31日の会見で安倍の関与について「先週までに話した通りだ」とはぐらかした。当初は関与していないと言い出し、差し違える覚悟がありそうな勢いだったが、メディアが二階対安倍陣営のせめぎ合いだと書き立てたからか、それとも既に両陣営で手打ちが行われたのか、安倍の「あ」の字も出したくない様子で取り合わない。ただ、冒頭の公明関係者が心配するのは、両陣営や岸田の将来より、国民がそれをほかの与党議員に問うことだが答えようがない。まさに1億5000万円は五輪やワクチン接種とは別の大きな争点になりかねない。仕掛けた岸田と二階はどう始末をつけるのか。(K)※敬称略