【政界地獄耳】ポスト岸田候補、誰がなってももめるのは必至 - 日刊スポーツ(2022年10月8日)

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★元首相・安倍晋三国葬も終わり、国会も始まった。政界はいつも通りのようだが、自民党最大派閥の安倍派(清和会)の領袖(りょうしゅう)が不在となり、同派は新体制づくりを余儀なくされるが、簡単に“次”が決まらない。1つはポスト岸田に名乗りを上げたい人物が多いということ。それにはまず派閥を束ねたいとの思惑がある。一方、党内に関係者が180人以上いるといわれる旧統一教会関連では、濃淡で言えば「濃い関係」が安倍派に多いということ。できれば同教会と関係が薄い人材を登用したいとの派内外の思いもある。その一方、安倍派の歴史は分裂の歴史でもあり、誰かが領袖になれば反発が生まれ派閥が分裂しかねないという爆弾も抱える。激しい派閥だ。

★91年、あの時も派閥の領袖・安倍晋太郎が病に倒れたことから始まった。安倍派には四天王と呼ばれた側近、三塚博加藤六月塩川正十郎森喜朗がいたが三塚と加藤が領袖を巡り激突。いわゆる三六戦争だが三塚が勝つが、その後分裂騒動が10年続く。その四天王の生き残り、森は首相にもなり、長らく続いた平成研(現茂木派)、宏池会(現岸田派)支配から解かれ清和会時代に突入する。

★さて、そのポスト岸田の自称候補たちだが、筆頭に元文科相下村博文、党政調会長萩生田光一、続いて経産相西村康稔、元防衛相・稲田朋美参院幹事長・世耕弘成が続く。加えれば前総務会長・福田達夫あたりか。順当なら党人派の萩生田、しかし下村、萩生田は旧統一教会関係者として前には立てない。西村、稲田はまだ早い。世耕は和歌山で元幹事長・二階俊博とのバトルに勝って衆院に来ることが前提。そうなれば8回生同期の派閥会長代行・塩谷立、派閥事務総長・高木毅、官房長官松野博一の3人が安定感を持つが発信力に欠ける。つまり誰になってももめることは必至。さてどうなるか。(K)※敬称略