【政界地獄耳】首相岸田文雄の政局感のなさが生んだもの 終わりがない自民党内の旧統一教会問題 - 日刊スポーツ(2022年9月21日)

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★元首相・安倍晋三国葬まで約1週間。都内は全国から集まった警備関係者が増え始めた。比例するように岸田内閣の支持率がどんどん下がる。「国葬が終われば国葬批判は落ち着くだろうが、旧統一教会問題は終わりがない。岸田降ろしの火種はあるものの、ポスト岸田にこの問題は先送りするだけになるし、旧統一教会に関係ある次期首相だと今よりひどくなる。清和会からも出しにくい。つまりポスト岸田は岸田なんだよ」とは自民党ベテラン議員。首相・岸田文雄の人ごと政治は旧統一教会問題の当事者でないことと、生来ののんきな政局感のなさが生んだものではないのか。

★ところが党はそうはいかない。20日、幹事長・茂木敏充は記者団から党の点検結果とメディアが実施した旧統一教会との接点の調査結果に多くの食い違いが生じている点を問われ「追加報告によって全体像に大きな影響は受けていないが、時機を見て集約して公表したい」と述べた。また同日、閣議後の会見で経済再生相・山際大志郎は18年に旧統一教会が主催したイベントに出席していたと明らかにした。今月上旬の自民党の調査では報告せず、外部の指摘で認めざるを得なくなった形だ。

★これでは点検も甘い、議員の隠し事は多いと幹事長も党をグリップできていないのではないかとの声も出始めるのは時間の問題だ。そもそも「教会との関係を断ち切る」と岸田や茂木が宣言してから事態は動いたのだろうか。点検漏れや取りこぼしが増えているだけだ。ここまでくれば党内に旧統一教会調査対策チームを新たに立ち上げるしかない。場合によっては第三者の介入も必要だろうが党は嫌がるだろう。それならば、いささか暴論に聞こえるかも知れないが、参院選挙で教会の全面支援を受けて当選した元賛同会員で、「今後は党の方針に従って、一切の関係を断つ」と宣言した参院議員・井上義行を軸に根本的な整理をすべきだろう。出来るかそんなこと。本気ならね。(K)※敬称略