【政界地獄耳】安倍・菅政権との違い際立たせた“軽やか”岸田は安倍をどう処遇する? - 日刊スポーツ(2022年9月2日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202209020000069.html

★旧統一教会の強い支援を受け参院選挙で当選したとされる自民党参院議員・井上義行は8月31日、同教会の「賛同会員」を30日付で辞めたと発表。加えて「今後は党の方針に従って、一切の関係を絶つ」と表明した。だが井上の選挙戦自体は一切不問なのだろうか。また今回の人事で党筆頭副幹事長に就任した前総務会長・福田達夫は「ボク自身がまったく関係がないので、何でこんなに騒いでるのか、正直な話よくわからない」と発言していたが、要職就任ということはこのとぼけた発言は問題ないということなのか。

★首相・岸田文雄は国民に向けて、不祥事を起こした一般企業の社長のように頭を下げて謝罪した。国民にとってはよく見る光景だが、首相の謝罪の重みを自民党自体が理解しているだろうか。安倍・菅政権では首相が謝罪するなど「敗北はあり得ない」との考えの下、政権に謝罪という文字はなかったかもしれない。国民に「率直におわび申し上げる」と言ってのける岸田を国民は軽やかとみるか軽いとみるか。ただ安倍・菅政権との違いだけは際立たせた。

★では首相や自民党に問いたい。元首相・安倍晋三と旧統一教会との深いつながりは報道の通りで、そのチルドレン議員や安倍派のしかるべき推薦のある議員と教会の関係は深いと伝えられている。井上や福田が問題ないとなれば、この旧統一教会問題の根幹にある安倍についてはどう処遇する考えか。亡くなったからとがめないというのならば、教会と自民党との過去はすべて不問に付すということになりかねない。もし不問となった場合、それまで教会との関係を「知らなかった」などという関係議員やうそをついてきた議員たちも何の問題もないことになる。一方、もし問題があるというのならば、その自民党が「一切の関係を絶つ」という根幹である安倍を国葬にすることに不都合が生じるのではないか。(K)※敬称略