【政界地獄耳】日本の野球は超一流だが政治は劣化の三流クラス 党中枢担う世代の伸び悩みは深刻 - 日刊スポーツ(2023年3月25日)

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★23日、安倍派参院議員のパーティーで元首相・森喜朗があいさつし、安倍派の後継会長問題に触れ、政調会長萩生田光一経産相西村康稔参院幹事長・世耕弘成官房長官松野博一国対委員長・高木毅の名前を「順不同」と前置きして挙げ、「この国会が終わるころかどうか、どこかで代表を決めなければいけない。くじ引きや投票で決めたらいい」と派内を揺さぶった。この言い方では「誰でもいい」「誰がやってもさして変わらん」とも読み取れるが空席のままでは党内での求心力がなくなる懸念やサミット後の政局が不透明な分、急いで固めた方がいいとの考えがあるとみられる。

★萩生田は党内外からは旧統一教会との関係が深いことが周知されているが、1月の終わりには「会長席をいつまでも空席にしておくわけにいかない」とし、元首相・安倍晋三の一周忌となる7月をめどに決めるべきだとの考えを示していた。また自らも意欲を示しているというが森発言は時期についてのみ後押しした格好だ。だから歴代の派閥の会長を眺めると、今回の候補となる人物はいずれも小粒で国民的人気までは至っていない。調査ではいまだに河野太郎小泉進次郎石破茂が次期首相人気が高く、安倍派の人材が名前を連ねたことはない。派閥の会長にいずれかが就任したとしても、しばらくは閥務や要職について国民に名前と顔を一致させなければならないとの思いも、森発言からは垣間見える。

★ただ党内や派内にはいまだに森が強い影響力を持つことを嫌う向きも多く、結果的に極めて悪質な汚職の温床となった東京五輪パラリンピックの多くを仕切った森の責任論はないのかという声は党内外からも絶えない。結局、自民党は相変わらず森クラスが幅を利かせ、党中枢を担う世代は伸び悩んでいるといえる。野球は超一流だと世界に示したが、政治はどんどん劣化をたどり三流あたりに沈んでいるといえる。(K)※敬称略