【政界地獄耳】二階俊博いつもの「昭和手法」- 日刊スポーツ(2022年8月26日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202208260000072.html

★垂簾聴政(すいれんちょうせい)とは皇帝が幼い場合、皇后・皇太后のような女性が代わって摂政政治を行うこと。中国や李氏朝鮮時代には実際にあったようだが、女性ばかりではなく男性が心もとない権力者を操る時にも使われる。24日、自民党元幹事長・二階俊博が講演し、旧統一教会との関係について「我々政治家は選ばれる方だが、応援してくれる人をこっちが選択する権利はほとんどない。『応援してやろう』と言われたら『よろしくお願いします』というのは合言葉だ」とした。

★また「『よく吟味して対応すべきだ』と言われればそれまでだが、そんなことが瞬時に分かるわけがない。多くの人とお付き合いする中には、いろいろな人が交じっている。検査している暇はないので、(問題が)起きた時に直していく」。そして旧統一教会問題などでは「自民党はびくともしない」と言い切った。元首相・安倍晋三国葬問題についても「みんなでやろうということだから、これにケチがつくわけがない」「国葬に文句をつける必要はない」として、「当たり前のことで、やらなければばかだ」とした。

自民党ベテラン議員が言う。「いつもの二階節だ。こんな昭和の政治手法も今では誰もやらないから注目されるが、弱り目の首相・岸田文雄に助け舟を出して懐に入ろうという手だ。第2次安倍内閣で総裁選の時期でもないころから『安倍しかいない』と党内の流れを作ったあれだよ」。二階は幹事長として党総裁3選の党則改正をまとめた後の19年9月に「いまの展望では安倍さんのあとは安倍さん」と発言している。また世論調査の多くで反対が多数を占める国葬についても「反対する過半数の国民を『ばか』とまで言っても安倍派や保守派は喜ぶ。狙いはそこにあるはず」とベテラン議員は言う。時すでに遅しで、世論は「ばかはどっちだ」と思うだろう。(K)※敬称略