【政界地獄耳】政治家の合言葉「全く知らなかった」 - 日刊スポーツ(2022年8月27日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202208270000054.html

★旧統一教会問題は政界全体を席巻するものの、都合のいい常とう句、「全く知らなかった」を関係議員は合言葉にこの難局を乗り切ろうと必死だ。ことにウソの会見後、またウソがばれて発言が後退し、当初の発言のほとんどが結局ウソだったことがばれる危機管理のセオリーから見ても、政治家の倫理観からしても最低の処理を続ける自民党政調会長萩生田光一と経済再生担当相・山際大志郎が政治家の説明責任のチャンスを台無しにしているといえる。

★それに乗っかる形で立憲民主党の調査で発覚した旧統一教会関係議員14人に対して23日、幹事長・西村智奈美は「全ての人が旧統一教会との関係だと認識していなかった」とし、わざわざこの14人の中から幹事長や国対委員長を選出。これでは自民党を国会で追及などできない。ところがこの幹事長や国対委員長は過去に野党共闘を推進したことから連合会長・芳野友子は「懸念があるかないかと言われると、懸念はある」と注文というより不愉快なけん制をする。このさまを見ていれば与野党ともにこれからもろくなことにならないという絶望感が有権者に広がることは必至だ。

★ただ余波も大きい。自民党は「汚染されていてもそれは選挙を軸とした政治活動での関係で政策がゆがめられているわけではない」としているが改憲を巡る自民草案と旧統一教会側と一致する部分が多いことも指摘される。また25日に開かれた自民党の性的マイノリティーに関する非公開勉強会で、元環境副大臣城内実が「純粋まっすぐお花畑の人は『差別されている人を助けなきゃ』みたいな話」と発言している。もっとも岸田内閣は18年7月に月刊誌で同性カップルを念頭に「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がない。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」と断じた杉田水脈を総務政務官に任命しているから確信犯でもある。火種は尽きない。(K)※敬称略