https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202206160000088.html
★15日で通常国会は閉会したが終盤は何とも後味の悪い会期末となった。18歳女性との飲酒疑惑やパパ活を報じられ、自民党を離党した岸田派衆院議員・吉川赳は15日の衆院本会議も欠席した。自民党をはじめ各党とも「議員辞職に値する」というものの、今日から事実上スタートする参院選挙前哨戦ではこの決着はすぐ忘れられるのかもしれない。
★国会議員には多くの特権が与えられているが、それは国民の代表として働くために付与されているものだ。本来国民のために働くことが二の次の議員やその立場を利用して国民無視で遊興に走ることに政治は寛容だ。「与野党ともこの程度の議員は幾人もいる。発覚しないだけだ。公認候補といっても身体検査が甘い議員も多い。後は特権で隠し通そうとする」(政界関係者)という声も聞かれる。
★吉川の非道でお粗末な行状にもあきれ返るが、終盤国会では日本維新の会の参院議員・石井章が女性候補の事務所開きで「顔で選んでくれれば1番を取る」と発言し批判されたが、それをたしなめるべき同党共同代表・馬場伸幸も別の街頭演説で、党公認の女性候補の名前を言い間違えた後に「あまりにかわいいので間違えた。今ちょっといらんこと言いかけた」と発言している。女性候補を増やしてもこれではだめだ。日銀総裁・黒田東彦は6日、「家計の値上げ許容度は高まっている」と発言。8日に撤回した。7日にはパーティーで元首相・森喜朗が東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長を辞任のきっかけになった発言に言及、「女の人はよくしゃべると言っただけだ。本当の話をするので叱られる。本当の話を政治家がしないから、世の中がおかしくなっている」。あまりにも都合いい話だ。要人のこうした低次元の発言に慣らされて誰も気に留めなくなっている。社会の正常化には正当な批判が必要だ。メディア、野党、国民の声を出すことが参院選の1つの争点ではないか。(K)※敬称略