https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202102020000058.html
★この日曜日に投開票があった北九州市議選(定数57)は自民党(現有議席22)は公認候補22人のうち県連副会長らベテラン議員を含む6人が落選した。今年は衆院選挙の年になる。そのほかにも自治体選挙がめじろ押しだ。深夜に銀座のクラブの出入りが発覚した公明党衆院議員・遠山清彦は議員辞職に追い込まれた。国民の議員という特権を持つ者への目が厳しくなったのだ。今まで通りの政治活動などでは到底満足できないと考える有権者が新しい生活様式の中の政治の姿と仕事ぶりの査定を始めたといっていい。
★自民党地方議員が言う。「最近の市議会議員選挙の傾向は自民党、公明党ともに当選するものの、前回選挙より300から500票ぐらい得票を減らしている。2000票前後あれば当選する選挙で500票減らすというのは市議会議員クラスでは相当票を減らしていることになる。これを衆院選挙の小選挙区や比例代表に置き換えると空恐ろしい」。地方議会選挙の地盤固めが衆院選挙の得票の基盤になる。当然、その地殻変動は中央政界に化学反応を及ぼす。
★遠山の議員辞職はそれくらいの覚悟で次期総選挙に臨まなければ大変な結果になるという公明党や支持母体の創価学会の危機感だろう。1日、自民党は党国対委員長代理・松本純の離党に続き同席していた同党の文部科学副大臣・田野瀬太道と同党国対副委員長・大塚高司の更迭も決めた。松本は1人でクラブに行っていたとしていたが若手も同席していた。国会開会日に国対が若手を連れて銀座に繰り出すのは国対の年中行事。コロナ禍で行かれなかったため、国対からの陣中見舞いを店に届けた。松本は国対委員長・森山裕を守った形だったが、早晩発覚するとして早めの対応となった。国対と官邸の信頼関係がないと国会運営は持たない。与野党の本格論戦が始まる2月は波乱のスタートとなった。(K)※敬称略