(政界地獄耳) 失敗の連鎖「菅銘柄の評判が良くない」 - (2019年8月27日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908270000051.html
http://archive.today/2019.08.27-011425/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908270000051.html

★日曜日に投開票が行われた埼玉知事選挙。4野党が推した前参院議員・大野元裕が勝利したが、選挙戦終盤までは自公が推したスポーツライター青島健太の優勢が伝えられた。青島は選挙戦序盤から「強靭(きょうじん)な県土づくり」「スポーツ振興と健康づくり」「埼玉の新たなストーリー」を訴えたが最後まで具体性に乏しく、ことに先の参院選挙でれいわ新選組山本太郎が訴えたようにビジョンを示さないと、今の有権者には届かないことを強く印象付けた。

自民党関係者が言う。「50歳過ぎるまで政治に興味がなかった。選挙が始まるまで都内に住んでいたなどの情報だけはネットを使って瞬く間に浸透していく。知事選挙とはいえ、イメージだけで勝ち抜くのはもう難しい」。野党関係者も「絶大な人気を誇る県知事・上田清司が後継者として指名した人物、埼玉は立憲民主党代表・枝野幸男のおひざ元と、野党陣営も負けられない選挙だったが、自公は幹部や閣僚を連日投入して厳しかった。最後は候補者の差が有権者に届いた」と分析する。

自民党中堅議員が言う。「選対委員長・甘利明が『我々の努力不足をしっかり反省したい』としたが、2人の差は5万7461票と僅差とは言えない結果。青島を擁立したのは官房長官菅義偉。自身も2度の応援に入ったものの及ばなかった。先の参院選を含め菅は幹事長並みに全国の選挙に口を出す。成功する場合もあるが、芳しくない場合もあるし、最近では党厚労部会長・小泉進次郎の官邸でき婚演出や、唐突に横浜市長・林文子がぶち上げたカジノ誘致宣言の背後の黒幕として名前が取りざたされるなど今、菅銘柄の評判がよくない」。埼玉は菅案件と党内では暗黙の了解のようで誰も口にしないが、失敗の連鎖は党内にどんな影を落とすのか。(K)※敬称略