【政界地獄耳】横浜市長選は首相への不信任投票 菅離れあっても解散打てる - 日刊スポーツ(2021年8月25日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108250000059.html

横浜市長選挙では争点がIRから変わり、有権者は首相・菅義偉に対する不信任投票に転じてしまった。野党統一候補はその意味では政権を追い込む役割を担ったといえるが、菅にNOを突きつけたという意思表示であることを忘れてはならない。選択肢に野党統一候補が選ばれたのだ。7月4日投開票の東京都議選では自民党議席を戻すも勝利といえるほど持ち直さず、一方、壊滅すると予想された都民ファーストの会が踏ん張った時と構図は似ている。自民党はダメだけど、保守系都民ファーストなら良いのではないかという都民の判断と似ている。都市型選挙の有権者の選択とみるべきだろう。

★政治記事はこの市長選挙の結果を入り口にいつ選挙があるのか、首相は主戦論で行くのかとかまびすしいが、間違ってはいけないのは今も首相は菅であるということだ。側近が選挙で負けようが官房副長官が入院しようが政治は止まることなく前進する。党内で菅では選挙に勝てないから顔を変えるべきという声がある。党内の菅離れだ。しかし政権である菅が解散をいつにするか決めるし、自らに人気がないことはここ数カ月の世論調査で承知していることだ。

★オリンピック(五輪)の成功、ワクチン接種の進捗(しんちょく)で支持率が回復するとの首相の目算は大きく外れたが、日本維新の会は選挙後に自公との部分連立に秋波を送り、公明党代表山口那津男も今まで菅に批判的だったが「菅首相を先頭に全力を挙げて当たっていくことが重要だ」「我々も支持した上で生まれた首相だ。菅首相の下で、与党として政権をしっかり運営していくことが使命だ」と支持声明を打ち出した。これが日本の最高権力者の力かもしれない。冒頭に不信任を突き付けられたと記したが、その場合、首相は辞職するか受けて立つしか選択肢はない。それならば首相は解散権を行使するのではないか。(K)※敬称略