https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201904090000105.html
http://archive.today/2019.04.09-005827/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201904090000105.html
★平成最後の、いや令和目前の統一地方選挙は複雑な結果を呼んだ。大阪維新の会の知事と市長のクロス選挙。自民党幹事長・二階俊博は「思いあがっているのではないか」とし、自民党推薦候補に公明のみならず維新以外の政党が支援した。しかし歯が立たなかった。今まで「官邸が甘やかしていたから」(大阪自民党関係者)と維新と官邸の蜜月を理由にしていたが、今回の選挙でも自民党は勝てなかった。加えて二階の地元である和歌山県議選の御坊市選挙区(定数1)では、自民現職が共産新人に敗れた。「思いあがっている」のは誰だったのか。
★だが全体で見れば41道府県議選は2277の全議席が確定し、自民党が1158議席を獲得する堅調ぶり。公明は大阪市議選と京都市議選で取りこぼしがあり自民党に引きずられた格好だ。唯一の与野党対決となった北海道知事選挙は野党共闘が功を奏さず自民党に惨敗。保守分裂となった4つの知事選挙は自民党内の今後に禍根を残す結果になった。「竹下・青木王国」といわれた島根知事選は前総務会長・竹下亘の推した候補者は落選した。福岡でも副総理兼財務相・麻生太郎が推した候補が惨敗。その意味ではポイントとなる選挙区や象徴的な選挙での自民党の衰退ぶりやグリップの甘さが目立つ結果となった。自民党選対委員長・甘利明と二階には勝者の高揚感はない。
★今回の結果はこの後の統一地方選挙や参院選挙に影を落とすだろう。同時に衆参ダブル選挙をもくろむには地方は疲弊しすぎていることを物語る。そしてなにより二階、竹下、麻生という党の重鎮たちの神通力や地方への利益誘導ではもう持たないという地方の反乱も見逃せない。党幹部たちの世代交代を見せつけられた。令和元年を目前に自民党内に令和維新が起きたとみるべきだろう。(K)※敬称略