(地獄耳) 女帝・小池百合子の最後の挑戦が始まった - 日刊スポーツ(2020年7月6日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202007060000107.html

★政界での興味は、選挙上手で抜群の政局勘を持つ都知事小池百合子がいつその座を明け渡して国政に逃げ込むか、その時にどの党でどういう形で転じるのかが焦点だ。自民党都連との確執は取れず、首相・安倍晋三もさして小池を重要視していない。党内では幹事長・二階俊博だけが小池を擁護する。そんな環境の中、小池は政党と選挙区をどう選ぶか。それも見もののひとつだ。政界は小池のサプライズ政局に翻弄(ほんろう)され、メディアは飛びつき有権者は混乱してきた。女帝・小池百合子の最後の挑戦が始まった。

都知事選終盤の3日、17年の衆院選民進党を壊し、小池とともに希望の党を作って野党を壊滅させた国民民主党前原誠司日本維新の会推薦の小野泰輔の応援に立った。小池の応援ではないのかと政界で話題になった。「都知事は誰がやっても大変。オリンピックやコロナの対応も大変だと思う」と小池批判もあっさりしたものだったが政界関係者は「ピンときた」という。「元都知事石原慎太郎の4期目と似ている。小池は次の衆院選で『国政にやり残したことがある』と都知事を放り投げ国政に転じるだろう。石原は当時、後継に副知事・猪瀬直樹を指名、当選させた。小池は今回、小野を副知事に指名するのではないか。熊本県副知事の経験もあるし、何より維新だからだ」。

★つまりこういうことだ。衆院選と都議選はどちらが先になるかわからないが、今、野党は分裂再編の時期に入り、立憲民主党も国民民主党も草刈り場になりかねない。前原はかねて維新と勉強会を進めており、早晩、国民から維新に移るだろう。小池は小野に後継を委ね、来年の都議選で都民ファーストの会を維新に合流させ生き残らせる。維新は労せずして都知事と都議会の会派を持てる。衆院選では自民党が大きく議席を減らし、維新との連立が模索され、小池は労せずして与党に返り咲く-。これなら前原の小野の応援も説明がつく。そんなにうまくいくものかと問うと、先の政界関係者は「これが、とらぬ緑のタヌキの皮算用」とオチをつけた。(K)※敬称略

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