【政界地獄耳】新生立憲民主党は来夏参院選が天王山 挙党体制ができるのか - 日刊スポーツ(2021年12月1日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202112010000066.html

★不思議な投開票だった。立憲民主党の代表選は党員・地方議員票をまず開票してから国会議員の投票に移る方式。党員・地方議員の投票結果が国会議員の投票行動に影響を与えるのではないかと思うが、結果、上位2人の決選投票になり代表が泉健太に決まった。新代表は前代表・枝野幸男や同幹事長・福山哲郎、同国対委員長安住淳ら前執行部のうるさ型に引きずられず、独自の執行部づくりを進めるべきだ。連合の介入も無視して立候補していた3人も要職につけ、まとまりを見せる必要があるだろう。

衆院選挙で勝った後の参院選挙は、大体厳しい選挙になると自民党も手綱を締める。来夏の参院選挙は両党の天王山になるだろう。自民党が勝てば岸田政権は長期安定政権をうかがえる。ただ選挙の時期に新型コロナウイルスの感染状況が先の衆院選の時のように落ち着いているとも限らない。それだけではない。場合によっては年明け早々に都知事選挙、来年4月には京都知事選、沖縄の名護市長選挙と国政級の選挙も控える。参院選直後の9月には沖縄知事選挙もある。自民党にとっても野党がどういう陣形をとってくるのかが関心事だろう。代表選挙直前の各候補は「挙党体制」を口にしたが、もめてばかりいる立憲民主党で挙党体制など本当にできるのか。外野は連合か共産党を含む野党共闘かを問うが、いずれも立憲いち政党だけで選挙を戦えない、脆弱(ぜいじゃく)な党であるからこそ起こる問題で、自分の力で選挙を戦えない限り、選挙協力や共闘は避けて通れない。

★その処方もなく、選挙の総括もないまま、党の戦略を決めたり、人事で体裁を整えただけでは国民から期待は生まれない。(K)※敬称略