【政界地獄耳】世耕弘成と折り合いつけば…二階俊博の決断の時も近い - 日刊スポーツ(2021年7月13日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202107130000062.html

★目前に迫る衆院選を前に現役最年長の元衆院議長・伊吹文明(83歳・京都1区)を筆頭に自民党ベテラン議員の政界引退が相次ぐ。元官房長官塩崎恭久(70歳・愛媛1区)、党4役の1人、選対委員長・山口泰明(72歳・埼玉10区)、元厚労相川崎二郎(73歳・比例東海ブロック)、元外務副大臣三ツ矢憲生(70歳・三重4区)、竹下派会長で元復興相・竹下亘(わたる=74歳・島根2区)ら政権の中枢にいた人たちだ。

★伊吹、三ツ矢、竹下以外は長男などに地盤を引き継ぐ計画だ。当選すれば世襲そのものになる。アキタフーズ社からの現金受領で議員辞職した元農水相吉川貴盛(70歳・北海道2区)も元農水相西川公也(78歳・栃木2区)も息子に譲るので、不祥事をきっかけに世襲するというわけだ。世襲がなぜダメなのかについては政治家専門の一族が生まれてしまい、普通の候補者が出にくい環境が生まれること、政治資金管理団体の資金が世襲する子供に受け継がれ、非課税相続の温床になることがあげられる。資金管理団体清算するのならともかく、この手法で資金のロンダリングが可能になる。資金を受け継ぐ世襲は断じて許すべきではない。

★ベテランの引退に政界関係者が言う。「本当の大物の引退もあるのではないか」。二階派会長で自民党幹事長・二階俊博(82歳・和歌山3区)のことだという。「ご多分に漏れず二階も息子に選挙区を譲りたい。だが、和歌山の参院には当選5回のベテラン、参院自民党幹事長・世耕弘成(58歳・和歌山選挙区)がいる。世耕は二階の後、衆院に移りたいという願望があり、世耕に思いとどまるよう腐心しているがめどが立てば引退するのではないか」。さまざまなチャンネルを使い調整をしている話は聞こえてくるが、77歳で幹事長に就任し、最長期間を歴任する二階も自らの去就は難しい。決断の時は近い。(K)※敬称略