(筆洗)さくらももこさんの「ちびまる子ちゃん」の「りぼん」連載第一… - 東京新聞(2018年9月5日)

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np.co.jp/article/column/hissen/CK2018090502000143.html
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さくらももこさんの「ちびまる子ちゃん」の「りぼん」連載第一話はまるちゃんが一学期の終業式に学校からたくさんの荷物を苦労して持ち帰る場面から始まる。
ヘチマの鉢植えや絵の具箱なども見える。「あーあ工作で作ったヘンな人形がランドセルからはみだしちゃってマヌケだなあ」。ランドセルが重そうである。どなたにも記憶があるだろう。教科書や学用品など学校の荷物は結構重い。
ジャンケンで負けた子が友だちのランドセルも電柱十本分の距離だけ運ぶという遊びをしたことがある。最近は見かけぬと思っていたら原因はこれかもしれぬ。われわれの時代に比べて、さらに学校の荷物が重くなっているようなのだ。
教える量が増え、教科書は大型化。副教材も豊富。ランドセルメーカーの調査によると最も重い日の平均は約六キロ。低学年には苦労だろう。
小中学校の重い荷物の軽減に向け、文科省が全国の教育委員会に適切に工夫するよう求める通知を近く出すそうである。通知には宿題や予習復習で使わない教科書は学校に置いておくことも工夫例として提示する方向という。教科書はすべて持ち帰りなさいと指導された世代から見れば、ずいぶんと話せる対応である。
こんな例示も加えたらと思う。小さな子が苦労しているのを見かけたら大きな子がちょっと助けてあげる。優しさに荷物も心も軽くなればいい。