(こちら特報部)少年法「改正」論議 石井弁護士に聞く - 東京新聞(2018年9月4日)


更生導く家裁審判から18・19歳 外してはならない


少年法の適用年齢を18歳未満に引き下げてよいのか。成人年齢を引き下げる改正民法の施行を前に焦点になっている。少年事件に40年にわたりかかわってきた石井小夜子弁護士は「罪を犯した少年は背景を丹念に調べ、更生に導く制度から若年層を外してはならない」と引き下げに反対する。(宮川剛)


・・・・


罪責争う刑事裁判では限界

・・・・

「裁判官は(戦後の中国残留)帰国者のつらさをどれくらい知っているのか尋ねてみてください」石井弁護士から手紙を渡された家裁裁判官は、小さな審判廷で少年や父母と向き合った。(家裁裁判官は)「大変だったね」と声をかけ、少年や一家の苦労に耳を傾けた。
「裁判官がわかってくれたと感じたとき、少年も家庭も変わる。有罪か無罪か、罪の重さのみ問う刑事裁判ではこうした過程はない」
少年法は更生に機能してきた。....

少年犯罪と向きあう (岩波新書)

少年犯罪と向きあう (岩波新書)