「東京オリンピック返上」という選択を真面目に考えてみる - 週刊現代(2016年12月3日号)

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50311

3兆円超——小池百合子東京都知事と、都政改革本部調査チーム、通称「チーム小池」が見積もった、東京オリンピックの総費用だ。昨年10月、舛添要一都知事が、「大まかに言って」と前置きした上で口にした額も、同じ3兆円だった。1年が経ち、都知事が替わっても、事態は好転していない。
小池氏にはもう、時間がない。どうしたら、この天文学的な費用を削ることができるのか。
東京オリンピックの予算を徹底的に見直す」とぶち上げて都知事選に圧勝した手前、数百億円を浮かせたくらいでは、都民が、そして国民も納得しないだろう。
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http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50311?page=2
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「小池さんからすれば、いざとなったら、『オリンピックの予算がここまで膨れ上がったのは、森さんや石原さんをはじめとする招致委員会・組織委員会の責任だ』『彼らの私利私欲のために、都民が大金を負担するのはおかしい』という理屈が立つ。
安倍政権は猛反対するでしょうが、IOCが『この状態では、もう東京には任せられない』と判断した場合には、返上が認められる可能性が高い」(前出・都庁幹部)


http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50311?page=3
仮に都民投票を行って「東京オリンピック返上」となれば、代わりの開催地はどうなるのか。
デンバー市の返上が決まった時は、開催までの残り時間は3年しかなかったが、IOCが世界各地の都市に打診した結果、12年前の'64年に冬季オリンピックを開催したオーストリアインスブルックに何とか決まった。一度使った施設を再利用することができるからだ。
もし東京がオリンピックを返上した場合は、冬季よりも大規模な夏季大会で、代わりの開催地を探さねばならない。選定をゼロからやり直すのは到底ムリなので、現実的には、同じアジアで'08年開催地の北京、あるいは'00年開催地のオーストラリア・シドニーなどが候補になるはずである。
オリンピックが超巨大ショービジネスでもある以上、返上となると、1000億円単位の違約金の発生は避けられない。とはいえ、「3兆円という巨額の予算と比較すれば、安いもの」と考え、支払うことを支持する国民も決して少なくないだろう。
築地市場豊洲新市場への移転に関しても、都庁内部では10月以降、「移転そのものの白紙撤回もあり得る」と囁かれるようになっている。同様に、東京オリンピックの「白紙撤回」という究極の策が、賛否はどうあれ、全国民を否応なく巻き込んで大激論を起こすことは間違いない。