(政界地獄耳) 都民より五輪ファーストだった小池知事 - 日刊スポーツ(2020年3月27日)

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都知事小池百合子の外出自粛要請で首都圏は早速物不足に陥った。それでなくともマスクやトイレットペーパーは政府や業界が言うほど街にはなく、品薄にはならないというものの、店頭になければ商品を探しに奔走するという当然の消費行動が始まる。偶然にもそれらが入手できたとしても、家族で1パック12ロールまでと言われれば品薄感が加速する。

都知事の4月12日までの3週間、「換気の悪い密閉空間」「多くの人の密集する場所」「近距離での会話」。「この3つの条件が重なる場を避けるための行動をお願いしたい」という要請という名の自粛指令だが、スーパーにはカップ麺や米もないありさま。3週間の備蓄とはいえ大げさな光景だ。だが、先のマスク争奪戦で国民性を知りながら同じ手法で都民に訴えれば品薄になることは予想できたはずだ。

★その都知事に対して元首相・鳩山由紀夫ツイッターは「小池都知事が週末外出自粛の要請をされた。東京オリンピック(五輪)の実現のために感染者の数を少なく見せ、東京はコロナを抑えている如く厳しい要請を避けて来られたが、延期と決まった矢先にこのパフォーマンスだ。その間にコロナは広がってしまった。あなたは都民ファーストよりオリンピックファーストだったのだ」は誠に腑(ふ)に落ちる。小池の説明を聞いていると、都民を守るという都知事の顔というより、元防衛相としての政治家の顔が前面に出すぎているのではないか。無論、ご本人には7月の選挙のことも頭に浮かんだことだろう。

★加えて政府は26日、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく対策本部の設置を閣議決定した。これで緊急事態宣言は時間の問題となる。国民に補償や代替案、理解と納得を並べてから要請や指示を願いたい。(K)※敬称略