「軍都」宇都宮、痕跡を訪ねて 「風化させない」…市民団体が21日:栃木 - 東京新聞(2016年5月15日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201605/CK2016051502000166.html
http://megalodon.jp/2016-0515-0957-23/www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201605/CK2016051502000166.html

宇都宮市の戦争の痕跡を訪ねるバスツアー「ピースバス」が、今年も21日に開かれる。戦争を風化させないという思いで、市民団体「ピースうつのみや」が1987年から年1〜2回ずつ続け、今回で32回目を迎えた。若者向けに分かりやすく工夫し、市内を歩きながらガイドが街並みの歴史も解説する。 (後藤慎一)
昨年は市東部を舞台に開催されたが、今年の見学先は、市中心部から西部にかけて点在する二十カ所近くの戦跡。市内の戦跡では有名な八幡山(はちまんやま)公園に残る旧陸軍地下司令部跡の周辺、宇都宮中央女子高校の敷地内にある「歩兵第六六連隊」の厨房(ちゅうぼう)だった赤れんがの建物などを訪れる。
バスで移動しながら、一部は徒歩で約一時間かけて見て回る。軍隊の警察組織である憲兵隊の本部跡(現在は空き地)に残る塀など、戦時の痕跡や地形をたどりながら、当時の街並みを想像する。
宇都宮市はかつて旧陸軍の師団司令部や飛行場など多くの軍事関連施設が置かれ、「軍都」とも言われていた。ガイド役を務めるピースうつのみやの佐藤信明事務局長は「軍隊の跡地は、学校になっていることなどを若い人に分かってほしい」と、街の歴史を知ることで興味を深めてもらいたいと話す。
前身の「宇都宮平和祈念館をつくる会」から活動を続けるピースうつのみやは、会員が高齢化し、若い世代への継承が課題。インターネットでの情報発信が不足していたが、会議室などを利用するとちぎボランティアNPOセンター「ぽ・ぽ・ら」(宇都宮市)のフェイスブックを通じて主催イベントの告知などをしている。
先着四十人で、十八日までピースバスの参加者を募集している。資料代として五百円が必要。申し込みは、電話かファクスで佐藤事務局長=電028(621)8778=へ。