「憲法の希望 実現するのは国民」 宇都宮 護憲派3団体が集会:栃木 - 東京新聞(2018年5月4日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201805/CK2018050402000159.html
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憲法記念日の三日、「九条の会栃木」など県内の護憲派三団体が宇都宮市立南図書館で集会を開いた。安倍晋三首相が改憲への意欲を鮮明にする中、市民ら約四百五十人が医師や学者の講演を聴き、現憲法の尊さに思いを巡らせた。 (北浜修)
生協ふたば診療所(宇都宮市)の医師、天谷(あまがい)静雄さん(66)が「医師の眼から見た日本国憲法」をテーマに講演。憲法の前文に「われらは、全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有する」とあり、二十五条で「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定していることに触れた。
天谷さんは「『全世界の国民』とあるところが優れている。(憲法が)戦争と貧困をなくし、健康と福祉の国づくりを訴えていることを確認したい」と呼びかけた。また、昨年自身が初めて沖縄を訪れ、平和祈念公園へ行ったことも紹介し「戦争は繰り返してはならない」と語った。
東大の広渡(ひろわたり)清吾名誉教授(ドイツ法)も「約束と希望としての日本国憲法」と題して講演し「立憲主義、民主主義、平和主義は三つ一緒に守るべき原理。憲法に託した希望を実現するのは自分たち、日本国民だ」と訴えた。
安倍政権が改憲を推し進めようとしていることには、安全保障関連法などを挙げて「国家権力を強くし、個人の自由や人権を制約する」などと批判した。

改憲派も集い
改憲に賛同する県民で組織する「美しい日本の憲法をつくる県民の会」は三日、宇都宮市の県護国会館で集いを開き、東京都内で同日開催された改憲派のフォーラムをインターネット中継した。約五十人が来場し、改憲の必要性をあらためて考えた。
中継は改憲の機運を盛り上げようと、二年前に始めた。県民の会事務局長の稲寿(いなひさし)さん(61)は「自衛隊の明記は必要。これからも県民の理解を深める活動をしていく」と話した。 (高橋淳)