戦時中の若者を思う 16日から宇都宮空襲展:栃木 - 東京新聞(2016年7月14日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/list/201607/CK2016071402000190.html
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太平洋戦争中、六百二十人以上が犠牲になった一九四五年七月の「宇都宮空襲」について考える展示が十六〜二十四日、宇都宮市江野町のオリオンACぷらざで開かれる。戦後七十一年になる今年は「戦争と若者」がテーマ。戦時中の若者の写真や手記を展示し、当時どんな生活を強いられていたのかを知り、考えるきっかけにしてもらう。 (後藤慎一)
平和運動を進める市民団体「ピースうつのみや」が前身の宇都宮平和祈念館をつくる会の時から毎年、宇都宮空襲があったこの時期に合わせて開いている。戦争体験者が高齢化し、若い世代への記憶の継承が課題になる中、佐藤信明事務局長は「若者に当時の同年代の姿を見て、戦争を考えてもらいたい」と話す。
戦時中の宇都宮では、女学校などに在籍していた学生への授業は行われず、工場や農家で働かされる勤労動員や勤労奉仕があった。展示では、防毒マスクをしたり、部品などを作ったりする学生の写真パネルを並べる。
当時の子どもたちの暮らしを描いた県内の女子商業学校の先生の日記で、現代仮名遣いに直した冊子も展示。ピースうつのみやでは、八十歳以上の会員にあらためて戦時下の生活を聞き、証言を集めた資料も用意する。「同世代の子どもが、戦時下にこんな目に遭っていたのか」と重ね合わせてもらいたいという。
佐藤事務局長は「気づかないうちに、戦争に協力させられていた(当時の)社会が分かれば」と話している。
このほか、空襲の様子を描いた大きな絵や、被災した範囲が分かる市街地の模型、実物の十分の一サイズのB29爆撃機の模型なども例年通り展示される。
展示は午前十時〜午後六時。初日の十六日は午後一時にオープンし、最終日の二十四日は午後五時まで。入場無料。