政権は“雑誌”を侮ったかな - 日刊スポーツ(2016年1月26日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1596785.html
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★25日、経済再生相・甘利明の金銭授受疑惑の民主、維新両党による合同の「疑惑追及チーム」が初会合を開いた。民主党幹事長・枝野幸男は「普通、この手の案件は何らかの釈明がなされて矛盾点や問題点を野党やメディアが追及するが、釈明すらできていない。長引けば長引くほど、安倍晋三首相を含めた一蓮托生(いちれんたくしょう)の話になる」と政権をけん制し、早期の“説明責任”を求めた。

★官邸も対応にあわただしい。甘利に対して金銭の受け渡しをしたとされる会社は甘利とは別の現職閣僚とも親しい間柄だけに、先週末から月曜にかけ官邸も対応に追われた。また今週発売の週刊文春が何を書いてくるのか、疑惑が広がった場合の対応、加えて後任人事の想定も必要と、さまざまなケースについて対応を余儀なくされる。政界関係者は「この新たな政治のカネの話の広がりとともに、復興相・高木毅や、沖縄相・島尻安伊子らのくすぶっていたスキャンダルが再度ほじくり返されたり、まして島尻には新たなスキャンダルがあるという話も政界ではささやかれ始めている。そうなると、第1次安倍内閣の悪夢がよみがえる」と、辞任ドミノで政権が弱体化した過去を指摘する。

自民党ベテラン議員は「テレビは官邸の圧力に屈してキャスターやコメンテーターを入れ替えて白旗を掲げた。新聞も編集幹部らが相変わらず首相との懇談にはせ参じて忠誠を尽くすことや、軽減税率導入などで厳しい原稿が書けない。雑誌がその間をぬって政権を揺るがす。少し政権は雑誌メディアを侮ったかな」とつぶやいた。もうこれは甘利スキャンダルとは言わないだろう。(K)※敬称略