(政界地獄耳)安倍3選支持も「幸せな国」も不適切なドン - 日刊スポーツ(2018年6月28日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201806280000231.html
http://archive.today/2018.06.28-010707/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201806280000231.html

★世間では「紀州ドン・ファン」の話題で持ち切りだが、「政界のドン」こと自民党幹事長・二階俊博発言は、自民党歴代幹事長の名を汚すものといえよう。二階は26日に都内で講演し、9月の自民党総裁選での安倍晋三3選について「間違いない」とし、「安倍政権がどういう形になろうとも、徹底的に支持する」と語気を強めた。つまり、安倍がやることは何でもいいと言っている。
小泉政権の幹事長・武部勤は、自らを首相・小泉純一郎の偉大なるイエスマンと名乗ったが、それと比較しても褒められはしない。また、首相を取り巻く疑惑として1年以上、国会などで追及を受ける「森友学園」「加計学園」疑惑への政府の対応について、「もっとスタートの時にしっかりした説明をすれば良かった。軽く見すぎた」と分析した。本当にそうだろうか。二階が幹事長になってからも厚労省のデータ改ざん、防衛省日報隠蔽(いんぺい)、財務省公文書偽造と続き、首相や副総理兼財務相の答弁などは、議会史に残る劣悪な内容といえる。その監督責任も大きいはずだ。
★二階の説明では「何ら問題ない」と聞こえる。二階は、「無口」が政界で信用され、上り詰めてきた。軽口もたたかない。その分、発言に重みが出るが、同日の「食べるのに困るような家は、もう今はない。今晩、お米が用意できないという家はない。こんな素晴らしいというか、幸せな国はない」との発言は、あまりにもお粗末。自民党で当選した初期の認識のままで驚くが、貧困への認識が低すぎる。どの国の与党幹事長だろうか。この発言の批判もできない自民党も、相当お粗末だ。
★二階は当選12回。1、2回生は自民党で過ごし、その後野党に転じ、93〜99年まで野党暮らし。自自連立から与党に復帰し、そのまま自民党に復党した。迷走を続けてきた「政界のドン」は、いつまで不適切な発言を続けるのか。(K)※敬称略