(政界地獄耳)実権は党に移った - 日刊スポーツ(2018年5月1日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805010000180.html
http://archive.today/2018.05.01-011317/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805010000180.html

★安倍政権発足後、官邸主導の政治運営が続いていたが、このところ党主導の政局回しに主導権が移ったようだ。当然官邸主導の結果が、いつまでも終わらない森友・加計学園疑惑であり、どうやら防衛省日報問題も、4月27日の閣議防衛省が開示した陸上自衛隊イラク派遣日報の「戦闘」の記載について、法的な意味での「戦闘行為」として用いられた表現ではないとする政府答弁書を決定したことで、日報問題の主軸も官邸だということが分かってきた。
★同29日、ロシア訪問中の自民党幹事長・二階俊博サンクトペテルブルク衆院解散・総選挙の可能性について「今は国会審議に専念すべき時だ。唐突で十分理解が得られているか議論の余地がある。そうたびたび解散というわけにはいかない。この間も解散したばかりではないか。(首相の)3選支持は1ミリも変わっていない。外交でこれだけの成果を上げた首相は少ない」とした。これは同25日に同党国対委員長森山裕が「野党が不信任案を出せば解散も選択肢の1つ」と言及したことを受け、再度解散を否定したものだ。
自民党中堅議員が言う。「この文脈は『選挙は俺が仕切るのだから、俺が勝てるという時まで解散はない』という意味だろう。つまり俺が帰国するまで、大型連休中にそういう話にはならないということを示しているのだろう。完全に主導権は党にあると言えそうだ」。思えば、首相・安倍晋三が日米首脳会談で米国に行っている最中に突然、財務事務次官福田淳一に辞表を提出させ、副総理兼財務相麻生太郎に受理させたのは官邸の主不在の出来事。「情勢立て直しに二階が動いたに違いない」(政界関係者)。安倍3選支持は1ミリも変わらないが、実権は大きく党に移ってきている。(K)※敬称略