(政界地獄耳)二階が次官に引導?政権の終焉演出か - 日刊スポーツ(2018年4月20日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201804200000262.html
http://archive.today/2018.04.20-005954/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201804200000262.html

★首相・安倍晋三トランプ大統領と日米首脳会談を繰り広げている最中、国会では財務事務次官福田淳一のセクハラ問題の攻防が激化していた。18日、衆院財務金融委員会では官房長・矢野康治や副総理兼財務相麻生太郎はセクハラ調査を行い、あくまでも次官を守る姿勢を野党に説明し続けていたが、その後麻生は次官の辞表を受理し、辞任が確定した。だが、首相訪米中に守り抜くはずだった次官の辞表を受け取る判断は、麻生自身のものだったのだろうか。
★無論、官邸からの指示があったかもしれない。しかし官邸の主(あるじ)不在の中で、どんな指示があったのだろうか。自民党元幹事長・石破茂は「あの全否定は何だったのか。いったん全否定し、週刊誌を告訴すると。そのような記者がいるなら、名乗り出なさいと財務省の名前で言って、一転辞める。何なんだという感じがする」というように、党内でも唐突感を持って受け止められている。一方、立憲民主党幹事長・福山哲郎は「財務省国税庁長官と次官が不在という異常な状況だ。麻生の責任は大きい」とすると、自民党幹事長・二階俊博は「重く受け止める」と応じた。
★政界関係者が言う。「二階が次官に直接引導を渡したのではないか。つまりそれは政権の終焉(しゅうえん)の演出を党主導で始めたということでは。官邸の主不在の中で、ゆっくりと歯車を動かしたのではないか」。麻生は19日に米ワシントンで行われるG20に出発した。その出発前に次官の進退の決着をつけるべきと考えたのだろう。ただ週明けからは、麻生自身の去就が焦点となる。国会は衆参で空転。来週、政権は重大な局面を迎える。(K)※敬称略