http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51971631.html
第99条
天皇や摂政には、
この憲法を尊重し、支持する義務があります。
国務大臣には、この憲法を尊重し、支持する義務があります。
国会議員には、この憲法を尊重し、支持する義務があります。
裁判官には、この憲法を尊重し、支持する義務があります。
そのほかすべての公務員には、
この憲法を尊重し、支持する義務があります。.......
つまり、第99条に列記されている、わたしたちから国家権力の行使を委任されている人びとが、その力をいいことに勝手なことをしないように装着させている手かせ足かせが憲法です。そして、そのように憲法をとらえ、そのような憲法をふまえて国家を運営するのが立憲主義なのです。
なのに、聖徳太子の17条憲法から憲法ということばを借用してしまったためでしょう、憲法にはわたしたちみんなが守るべき、なにか道徳的ないいことが書いてあるのだ、と誤解している人が、とくに自民党の憲法改正推進本部あたりにたくさんいる気がします。「憲法」ではなく、植木枝盛のように「国憲」とかにしたほうがよかったかもしれません。
そしてあろうことか、自民党改憲案は第99条のあたりに「国民の憲法尊重義務」を加えています。そういえば、自民党は改憲案の随所に「国民」が守らなければならないこと、「国民」ならこう考えるべきこと、こうふるまうべきことどもをちりばめています。もちろん、道徳的なこともたっぷりと。17条憲法にじわりと近づいているかっこうです(17条憲法にしても、なにも道徳を説いたのではなく、豪族の仕事内容が変わったために出された、新しい就業マニュアルなので、「和を以て貴しとなす」を「ニッポン古来の美徳」とか言ってしまう人が続出するのは恥ずかしい限りなのですが、それはまた機会があったら)。
- 作者: C.Douglas Lummis,池田香代子,C.ダグラスラミス
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