核廃絶NGO、平和賞 禁止条約実現に貢献 日本から7団体参加「ICAN」 - 東京新聞(2017年10月7日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201710/CK2017100702000139.html
https://megalodon.jp/2017-1007-0947-09/www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201710/CK2017100702000139.html


【ロンドン=沢田千秋】ノルウェーノーベル賞委員会は六日、二〇一七年のノーベル平和賞を、スイス・ジュネーブに拠点を置く国際非政府組織(NGO)、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン)=International Campaign to Abolish Nuclear Weapons)に授与すると発表した。ICANは平和や軍縮、人権などの問題に取り組む約百カ国の約四百七十団体で構成し、日本からはNGOピースボートなど七団体が参加。史上初めて核兵器を非合法化する核兵器禁止条約の制定を目指して広島や長崎の被爆者と連携し、今年七月の国連での条約採択に貢献した。
ベーリット・レイスアンデルセン委員長は授与の理由を「核兵器使用による壊滅的な人道被害に警鐘を鳴らし、このような兵器を禁じる条約成立に革新的な努力をした」と説明。「核兵器使用のリスクはこれまで以上に高まり、北朝鮮のように核開発を行う危険な国もある。地球上の人類と生命への深刻な脅威」と指摘した。ICANは六日、受賞決定を「非常に光栄。広島、長崎の被爆者や世界の核実験被害者と共に与えられたものだ」とする声明を発表した。

ICANは一九八五年の平和賞受賞団体「核戦争防止国際医師会議(IPPNW)」が提起してオーストラリアで二〇〇七年に発足。ICANの中核的な役割を担う国際運営委員にはピースボートの川崎哲(あきら)共同代表(48)が就いている。
核兵器禁止条約は国連で百二十二の国と地域の賛成で採択された。しかし米国、ロシア、英国など核兵器保有国や米国の「核の傘」の下にいる日本や韓国は参加しなかった。
委員長は「今の禁止条約だけでは一つの核兵器も排除できない。核なき世界の実現を目指す次のステップには核保有国を巻き込むべきだと強調したい」と、この平和賞が条約不参加の国々への呼び掛けであるとした。
北朝鮮については「(核兵器をなくす)機運が高まれば核の廃絶や不使用について全ての国の行動に影響すると思う」と強調した。
 授賞式は十二月十日、オスロで開催。賞金九百万スウェーデンクローナ(約一億二千四百万円)が贈られる。

◆連携 被爆者の声伝え
ICANに日本から参加するのは、NGO「ピースボート」(東京都新宿区)、同「ヒューマンライツ・ナウ」(台東区)、同「平和首長会議」(広島市)、「核戦争防止国際医師会議日本支部」(同市)、「反核医師の会」(東京都渋谷区)、「創価学会インタナショナル」(新宿区)、芸術家グループ「Project NOW!」(広島市)の七団体。非核・平和運動の担い手として国内外で活動している。
このうち中核の活動を担ったのが、ピースボートだ。同団体共同代表の川崎哲さんは、ICANでも二〇一四年まで共同代表も務めるなど、〇七年のICAN創設時から中心メンバーとして活動に関わってきた。
 〇八年、世界一周する船に被爆者を乗せて各国を巡るピースボートの「おりづるプロジェクト」が始まると、川崎さんはICANのネットワークを生かし、渡航先で延べ百カ国の首脳や議員を招き証言会を開催。百七十人以上の被爆者の声を届ける活動を担った。
 川崎さんは六日、「条約の重要性を公認するこの賞は、いまだに条約に署名・批准していない政府を後押しすることになるでしょう」と談話を出した。
ニューヨーク事務所で各国政府に条約締結を働き掛けてきたヒューマンライツ・ナウの伊藤和子事務局長は「核兵器の廃絶は非現実的なものだとみられていた。条約がもうすぐ発効という状況での受賞は現実的な選択肢として評価され、テーブルに上ってきたことの表れではないか」と話した。 (原尚子、宮尾幹成)

ICAN平和賞 被爆者「感無量」ピースボート歓声「世界が目覚める機会に」 - 東京新聞(2017年10月7日)

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「感無量です」。ともに活動してきた広島、長崎の被爆者は喜びをにじませた。六日、ノーベル平和賞受賞が決まった国際非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)。光が当たった国内のメンバーは「核なき世界」に挑む決意を新たにする一方、唯一の戦争被爆国でありながら、核兵器禁止条約に参加しようとしない日本政府の姿勢を疑問視する声も相次いだ。
核兵器廃絶の道が進む」。東京・高田馬場の「ピースボートセンターとうきょう」。六日午後六時すぎ、主要運営団体の一つとして参加するICANへのノーベル平和賞授与の知らせに、集まった約七十人の関係者から「おお」と大きな歓声が上がった。「世界が目覚める良い機会」「新たなスタートに」。ピースボートのスタッフや被爆者は、今後への期待と決意を口にした。
二〇〇八年から核廃絶を目指す活動を展開してきたピースボート国際部コーディネーターの渡辺里香さん(41)。一緒に朗報を待っていた被爆者らに歩み寄り、抱き合ったりして喜びをあらわに。涙を流す人もいる中、「大変うれしい。励みとなって核廃絶の道が進む」と声を弾ませた。
被爆者の三宅信雄さん(88)は満面の笑みで、報道陣に向けてピースサイン。「感無量。核兵器禁止条約が大事ということに世界が目覚める良い機会になる」と訴えた。
午後七時半すぎからの記者会見で、ピースボート共同代表の吉岡達也さん(56)は、同席した被爆者を「命を懸けて世界中で筆舌に尽くし難い体験を伝えてきた方の努力が、大きな役割を果たした」とたたえた。
ただ、核兵器禁止条約に日本は参加しておらず「核による攻撃で国民、市民を失った国は日本だけなのに…」と不満も。表情を引き締め「(平和賞は)被爆者の証言が、核の危機を解決する可能性を持っていることを思い出してくれ、というメッセージだと感じている」と訴えた。

学生時代から平和運動 核軍縮発信 ICANの中心メンバー・川崎哲さん - 東京新聞(2017年10月7日)

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https://megalodon.jp/2017-1007-0947-56/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017100702000124.html

学生時代から平和運動に携わり、世界に核軍縮の重要性を発信し続けてきた。ノーベル平和賞受賞が決まったICANの主要メンバーで、国際運営委員を務める川崎哲(あきら)さん(48)は、核兵器禁止条約に署名しない日本を憂う。「核兵器の禁止と廃絶を願い、勇気を持って声を上げてきた広島、長崎の原爆被爆者らに向けられたものだと思う」。核なき世界に向け、力とする覚悟だ。
東大在学中の一九九〇年代、湾岸戦争多国籍軍に援助する日本政府の姿勢に疑問を持った。
仲間を募り、国会前で太鼓をたたき、自衛隊の海外派遣を可能にする国連平和維持活動(PKO)協力法に対する抗議の声を上げた。
NGO「ピースボート」で、百数十人の被爆者と船で世界を回ってきた。被爆者からは「原爆で多くの人が犠牲になったのに、自分は生きている」という「罪の意識」を打ち明けられたこともあった。
多くの被爆者と交流する中で「こんな非人道的な兵器はなくした方が良い」との思いを強くし、核兵器禁止条約の採択に尽力。今年九月、米ニューヨークの国連本部で開かれた署名式を傍聴した。「良い条約ができた。九十点。提案していた『被爆者』という言葉が条文に入りましたから」
核武装を唱える意見が政治家から出てくる日本の現状に危機感を抱いている。核兵器廃絶運動をリードし、八月に亡くなった長崎の被爆者、谷口稜曄(すみてる)さんが話していた「最後の被爆者がいなくなった後が心配だ」との言葉を実感するという。世界が原爆の恐ろしさを忘れないため、核を強制的に禁止する条約の採択を目指した。
日本政府は禁止条約に加わる展望はあるとみている。「圧倒的多数の批准国で条約を発効させることができれば、米国の『核の傘』に入る国々に、参加を促す事実上の圧力になる」
国際会議などで今でも海外を飛び回る。自宅に戻ることは少ない。平和賞受賞の知らせは、被爆者も乗るピースボートに合流するため、アイスランドに向かう機内で「驚きと喜び」とともに受け止めた。

核なき世界、実現迫る ノーベルの遺志 原点回帰の選考 - 東京新聞(2017年10月7日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201710/CK2017100702000135.html
https://megalodon.jp/2017-1007-0949-37/www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201710/CK2017100702000135.html

国際NGOの核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)に対するノーベル平和賞授与は、軍縮や「非核」に向けた具体的な活動を重んじるという平和賞の原点に回帰するとともに、「核兵器のない世界」の実現を強く迫った決定といえる。
選考委員会は北朝鮮による核開発を具体例に挙げ、核兵器使用への強い危機意識を表明。同時に、米国やロシアなどの核保有国側の責任を強調し、危機回避のために「ただちに核削減方法への真剣な交渉を始めるべきだ」と促した。
委員会は、ICANが推進し、七月に国連で採択された核兵器禁止条約に触れ「核保有国も、その最も近い同盟国も支持していない」と批判。北朝鮮核開発の脅威を受けながら、米国の「核の傘」の下、条約に参加しなかった日本や韓国の姿勢にも厳しい目を向けた。
「核抑止力による平和」論も「受け身や現状維持の姿勢が議論の前進を阻んでいる」と批判した。
核廃絶に期待を込めた平和賞としては、二〇〇九年に当時のオバマ米大統領が就任一年目で授与され「実績がないのにおかしい」との批判も出た。委員会は今回、授賞理由の中であえて、アルフレド・ノーベルの遺志である(1)国家間の友好推進(2)軍備削減・廃止(3)平和会議の促進−の三点を明示。「核兵器が使われる危険性が過去になく高まっている」からこそ、原点回帰を訴えた。
その上で「条約だけで核兵器はなくならないが、地雷や生物化学兵器も国際条約で禁止していった」と望みをつないだ。実効性を確保するため「段階的でバランスが取れ、注意深く検証された」核削減も提唱した。 (ヨーロッパ総局・阿部伸哉)

政府、平和賞にコメント出さず 外務省幹部「立場違う」 - 朝日新聞(2017年10月6日)

http://www.asahi.com/articles/ASKB661V3KB6UTFK01J.html
http://archive.is/2017.10.06-212057/http://www.asahi.com/articles/ASKB661V3KB6UTFK01J.html

日本政府は、核兵器禁止条約採択に貢献した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞の報を複雑な思いで受け止めている。核廃絶へ向けた意義を認める一方、核・ミサイルの脅威を高める北朝鮮に触れ「遠く離れた国と、現実の脅威と向き合っている我々とでは立場が違う」ととまどいを見せる外務省幹部も。首相官邸と同省は受賞決定を受けてのコメントを出さなかった。
核禁条約をめぐって、日本政府は「核兵器廃絶という目的は同じだが、アプローチが異なる」と不参加の立場をとってきた。同条約には核保有国が参加しておらず、非核保有国との間で溝を生じさせる原因になっているとの理由からだ。
安倍晋三首相は8月9日、原爆が投下された長崎市内で被爆者団体と面会後、記者団に核禁条約に参加しないことを問われ、「核兵器国と非核兵器国の隔たりを深め、核兵器のない世界の実現をかえって遠ざける結果となってはならない」と強調した。

核廃絶NGOに平和賞 大きな国際世論の反映だ - 毎日新聞(2017年10月7日) 

https://mainichi.jp/articles/20171007/ddm/005/070/114000c
http://archive.is/2017.10.07-003750/https://mainichi.jp/articles/20171007/ddm/005/070/114000c

今年のノーベル平和賞が、核兵器禁止条約の制定を推進した非政府組織(NGO)連合である核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)に授与されることになった。
「核なき世界」の理想を実現するために後押ししようというノーベル賞委員会の強いメッセージである。
草の根による国際連携の取り組みが評価されたことに注目したい。
ICANは、核兵器廃絶を目指す各国のNGOが集まって2007年に発足した。現在は約100カ国の400団体以上が参加している。
日本からは「ピースボート」共同代表の川崎哲氏が国際運営委員の一人として加わっている。広島や長崎の被爆者で作る日本原水爆被害者団体協議会とも連携してきた。
受賞の知らせにICANは「広島と長崎のヒバクシャ」への授賞でもあるとコメントした。被爆の悲惨な実態を世界に訴え続けてきた活動への評価でもある。
同時に北朝鮮の核開発で緊迫する世界の現状への警告という意味を持つ。ノーベル賞委員会は授賞理由の中で北朝鮮の名を挙げ、核拡散が深刻な脅威になっていると指摘した。
ICANのフィン事務局長は「核による脅しも核開発も違法であり、中止すべきだ」と、対立を激化させている北朝鮮金正恩政権とトランプ米大統領にメッセージを送った。
ICANの活動は、オーストリアなど多くの非核保有国を動かし、今年7月に122カ国の賛成で採択された核兵器禁止条約に結実した。今回の決定はこうした国際世論の広がりを反映したと考えられる。
また、核削減が進まない現状への警告と受け止めたい。米国やロシア、中国などの核保有国は署名を拒否している。ノーベル賞委員会は、核保有国をいかに巻き込むかが今後の課題であるとして、国際社会の取り組みを促した。
日本政府は、韓国や豪州、欧州諸国とともに核兵器禁止条約の交渉に参加しなかった。米国の同盟国であり、自国の安全保障を米国の「核の傘」に依存している現実と矛盾するという理由からだ。
世界で唯一の被爆国として、今回の決定を歓迎したい。であるからこそ、日本の核兵器禁止条約への不参加が残念でならない。

核廃絶運動 世界に新たなうねりを - 朝日新聞(2017年10月7日)

http://www.asahi.com/articles/DA3S13169590.html
http://archive.is/2017.10.07-005054/http://www.asahi.com/articles/DA3S13169590.html

今年のノーベル平和賞が、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN〈アイキャン〉)に贈られる。122カ国の賛同でこの夏に採択された核兵器禁止条約への貢献が評価された。
国連が71年前の最初の総会決議で掲げた核廃絶へ向け、ICANが機運を復活させた。ノーベル委員会はそう称賛し、世界のすべての反核運動への表彰でもある、と強調した。
核兵器の非人道性を訴えるICANの主張を支えたのは、広島、長崎で原爆に遭った被爆者たちである。国際会議やネットを通じ、生々しい声が国際世論を揺さぶった。
画期的な条約の成立に続く、ICANへの平和賞決定を、被爆者、日本のNGOなどすべての関係者とともに歓迎したい。「核なき世界」をめざす国際機運をいっそう高める節目とするべきだろう。
ICANは、核戦争の防止に取り組む医師らのNGOを起点に、100カ国超にまたがる500近い団体の連合体だ。多彩な分野でそれぞれの強みを発揮する特長がある。
医師や科学者は核戦争の被害を科学的に示し、法律家は条約の案文を作った。軍需産業の監視団体は、核関連企業への資金の流れを明らかにした。政治家や元外交官らも含め、多面的な働きかけを積み上げたことが条約成立の下地を作った。
だが、それでも核廃絶に向けた潮流は滞っている。先月に始まった条約の署名では53カ国が応じたが、核保有国はゼロ。米国の「核の傘」の下にある日本も不参加を表明した。
トランプ氏とプーチン氏の米ロ両首脳とも核軍拡に前向きであるうえ、北朝鮮の核開発の脅威はきわめて深刻だ。
ただ、核が再び使われれば、人類に破滅的な影響が避けられない。その危機感がICANや被爆者らの努力で世界に浸透した意義は大きい。核に依存する政治家らの考えを変えるには、引きつづき市民社会に働きかけていくしかない。
日本原水爆被害者団体協議会日本被団協)は昨春、「ヒバクシャ国際署名」の運動を始めた。9月末までに515万の署名を得た。20年までに世界で数億人まで増やすのが目標だ。
多くの市民が廃絶の意思を共有し、「核兵器ノー」の包囲網を築いていく。ICANの受賞決定を、世界的なうねりへとつなげるきっかけにしたい。
被爆国でありながら、ICANや被爆者の願いに背を向けたままの日本政府は、その姿勢が改めて問われることになろう。


イシグロ氏受賞 人のユーモアと悲しみ - 東京新聞(2017年10月7日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017100702000156.html
https://megalodon.jp/2017-1007-0950-50/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2017100702000156.html

ノーベル文学賞カズオ・イシグロ氏は「私の世界観には日本が影響している」と述べた。長崎生まれだからだろう。受賞を喜びたいし、新しい境地の作品を生み出すことを何より期待したい。
カズオ・イシグロ」の名前が日本で一躍有名になったのは、一九八九年。「日の名残(なご)り」が英国で最高の文学賞であるブッカー賞を受賞したときだ。
英国の屋敷に仕える執事が主人公だ。生涯をかけて尽くしてきた自分の主人が、対ナチスの宥和(ゆうわ)政策という間違った外交に手をかけ、失意の中で死んでしまう。思い直せば、仕えるにも足りぬ人物であり、自分自身の私生活も失敗だったと気付いたとき、彼の人生ももう残りわずか−。ユーモアあり、悲しみあり、そんな小説である。
作家の丸谷才一氏は「イギリスへの挽歌(ばんか)」と題し、こう評した。
<つまりイシグロは大英帝国の栄光が失(う)せた今日のイギリスを諷刺(ふうし)している。ただしじつに温和に、優しく、静かに。それは過去のイギリスへの讃嘆(さんたん)ではないかと思われるほどだ>(「本が待ってる!」週刊朝日編)
ノーベル賞受賞決定後に「私の一部はいつも日本人と思っていた」と語ったように、第一作「遠い山なみの光」も第二作「浮世の画家」も日本が舞台である。
五歳まで長崎で生活し、海洋学者だった父が英国の研究所に招かれたため、一家で移住。以来、英国で暮らし、英国籍となった。
「最初に小説を書き始めた際の動機は、私の日本の記憶を保存することにありました」と共同通信に語っていた。思い出す日本は小津安二郎監督の映画の一場面のような風景という。
その後は作風は大きく変わる。二〇一五年の最新作「忘れられた巨人」は、記憶がテーマだ。伝説のアーサー王の没後、大きな戦争があったが、奇妙な霧のせいで人々が記憶をなくしている。霧の正体は竜の吐息とわかるが、竜を殺し、記憶を取り戻すべきかどうか−。そんな展開だ。
クローン人間を主人公にした小説もあって、創り出す世界の多様さには驚かされる。
スウェーデン・アカデミーは「(『高慢と偏見』の)ジェーン・オースティンカフカの要素を併せ持っている」と評した。
偉大な感性を持った作家は次作でどんな世界へとわれわれを運んでくれるのか。イシグロ氏の活躍を楽しみにしたい。

(余録)「わずかな表情の変化で深い内面を表していた… - 毎日新聞(2017年10月7日)

https://mainichi.jp/articles/20171007/ddm/001/070/177000c
http://archive.is/2017.10.07-004911/https://mainichi.jp/articles/20171007/ddm/001/070/177000c

「わずかな表情の変化で深い内面を表していた。高峰秀子(たかみね・ひでこ)や原節子(はら・せつこ)を思わせる」。ノーベル文学賞を受賞する日系英国人作家カズオ・イシグロさんは自作の映画化に際して来日し、英主演女優をそう絶賛した。
5歳の時に長崎市から英国に移住したイシグロさんが2人の日本人女優を知るのは、ずっと後、母親と一緒に1950年代の日本映画をテレビで見た時だった。描かれていた障子や畳の部屋が幼時の記憶を瞬時によみがえらせたのだ。
「初めて小説を書いたのは長崎での記憶をとどめたいという衝動からです。人は何をどう記憶し、どう語るのか。記憶によって自己がいかに形成されるのか−−ずっと関心をもってきました」。小紙のインタビューにそう語っていた。
代表作「日の名残り」は英国貴族につかえた執事の回想である。誇らしげに語る記憶の裂け目からやがて大きな悔恨が姿を現す。丸谷才一(まるや・さいいち)さんは解説で「男がこんなに哀れ深く泣くイギリス小説を、ほかに読んだことがない」と記す。
2年前のファンタジー仕立ての長編「忘れられた巨人」は、人々が忘れたがっている記憶がテーマだった。過去の集団的怨恨(えんこん)が突然よみがえって隣人同士が殺しあった近年の民族紛争、それに触発されて描かれた老夫婦の冒険という。
英日の文化も、SFやファンタジーなど小説のタイプも、自在に越境してつむがれる記憶と忘却の物語だ。昔、母親に日本語で読み聞かされたシャーロック・ホームズの記憶が生んだ世界文学の富である。

<電通違法残業>厳しさ増す司法判断 社会的議論促す - 毎日新聞(2017年10月6日)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171006-00000110-mai-bus_all&pos=3
http://archive.is/2017.10.07-004557/https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171006-00000110-mai-bus_all&pos=3

電通に罰金50万円の有罪を言い渡した6日の東京簡裁判決は、日本を代表する大企業の労務管理に警鐘を鳴らす内容となった。従業員の命や健康に関心を払わない企業に対する司法の目は厳しさを増している。衆院解散で「働き方改革」関連法案の国会提出は見送られたが、企業にとって長時間労働の是正は待ったなしの状況だ。
「違法残業の態様は軽視できるものではない」「具体的対応は部長らに任され、サービス残業も横行する状態だった」。判決には社の体質に厳しい言葉が並んだ。
9月の初公判。当初は書面審理だけの略式裁判を請求した検察側が違法残業の実態を詳述した。それによると、2014年度に違法残業をした社員は月約1400人に上り、会社が労使協定を順守するよう指示を出した15年4月以降も月100人以上を数えた。
こうした状況に、電通が取った対策は、月50時間以内とする協定の法定外労働時間を最大100時間に緩和することだった。検察は「労働環境の改善とは逆行する小手先だけの対応」と指摘し、判決も「もっぱら社の利益を目的として行われた対応」と批判した。
厚生労働省によると、16年の自殺者は2万1897人で、このうち勤務が一因となったケースは約1割に相当する1978人。夫を過労自殺で亡くした「全国過労死を考える家族の会」代表、寺西笑子さん(68)は「判決は『過労自殺を出したら大変なことになる。重大な問題なんだ』というメッセージを他の企業に発した」と受け止める。
あるベテラン裁判官は「裁判官はあくまで個々の事件で判断するが、略式か正式裁判かの選択を含め、社会的反響が大きかった電通公判は今後のモデルケースの一つになるだろう」とみている。
簡裁は今回、検察の求刑通り罰金50万円とした。労基法上、違法残業の罰則は1事件で「6月以下の懲役または30万円以下の罰金」だ。電通事件では、社員4人の違法残業が問われたため、罰金なら4人分の120万円まで命じることも可能だった。判決は「同程度の違法が認められた他の事件との均衡を勘案した」と説明しており、労働局が摘発した同種事件などとのバランスにも配慮したことをうかがわせた。
過労死問題に取り組む遺族や弁護士の中には「そもそも労基法の罰則が軽すぎる」として、厳罰化による抑止を望む声もある。これに対し、検察幹部の一人は「確かに電通に50万円はそれほどのダメージではないだろうが、判例からすると今回の判決は妥当。罰金額の引き上げなどについては、社会全体で議論すべきだ」と話す。【石山絵歩、平塚雄太】

◇対策、業界間で温度差
電通の事件などを受け、企業は長時間労働を是正する取り組みを進めている。ただ、企業によって温度差もあるのが実情だ。
長時間労働にはペナルティーを導入し、会社としての本気度を示した」。経団連など経済4団体と連合が9月下旬、東京都内で開いた働き方改革のシンポジウム。事例発表に立った大和ハウス工業の人事担当者は力を込めた。
同社は2015年9月から、社内の基準に基づき、労働時間が長い支社などを「ブラック」と認定。本社の是正指導に従わない場合はペナルティーとして社員の賞与を減らす。担当者は「賞与減額が目的ではない。1人当たりの年間の所定外労働時間は12年度に449時間だったが、16年度は365時間に減った」と効果を強調した。
損害保険ジャパン日本興亜も、ITを使って自宅などで働く「テレワーク」や、勤務時間を柔軟に変える「シフト勤務」を進めている。担当者は「これまでは会社に長くいることが評価されてきたのは否めない。それでは多様な人材が活躍できない」と説明。改革の結果、7割の社員が「生産性が向上した」と回答したという。
経団連など全国110の経済団体は、シンポジウムに合わせて「長時間労働につながる商慣行の是正に向けた共同宣言」も行った。背景には、産業界全体で取り組まなければ長時間労働はなくならないという危機感がある。例えば、中小企業が金曜夜に大企業から発注を受け、月曜朝の納品を求められるなど、取引先の意向で長時間労働を強いられているケースも少なくないからだ。
宣言はこうしたケースを想定し、「取引先の休日・深夜労働につながる不要不急の発注は控える」など6項目を定めた。
だが、宣言には全国建設業協会日本チェーンストア協会など59の業界団体が加わったものの、参加は全業界団体(109団体)の約半数にとどまった。「業界全体の合意が得られない」として賛同しなかった団体もある。長時間労働の是正に積極的な企業と、そうでない企業の間の温度差はなお大きい。【川口雅浩】

「森友」記録、復元は不能 政府答弁書「専門業者もできない」 - 東京新聞(2017年10月7日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201710/CK2017100702000133.html
https://megalodon.jp/2017-1007-0910-17/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201710/CK2017100702000133.html

政府は六日の閣議で、学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題に関し、財務省が「廃棄した」と説明している交渉記録の電子データの復元は「専門業者であっても(技術的に)できない」とする答弁書を決定した。社民党福島瑞穂参院議員の質問主意書に答えた。
一方、財務省が情報システム更新に伴い七月末までに予定していた旧システムのデータ消去作業を延期していると説明した。格安な土地売却をめぐり大阪地検特捜部が背任容疑での捜査を進めていることを踏まえた措置とみられる。

(政界地獄耳)連合破壊、小池の目的達成 - 日刊スポーツ(2017年10月7日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201710070000251.html
http://archive.is/2017.10.07-020027/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201710070000251.html

希望の党代表・小池百合子民進党代表・前原誠司の政界転覆脱線チームが6日午前、連合本部を訪れ、会長・神津里季生に支援要請した。しがらみのない政治と言い、民進党からの公認申請という名の政策協定書、いわゆる踏み絵では、政党支部において企業団体献金を受け取らないことといった労組の組織内候補の活動を制限するような文言が躍る中、この2人はどういうつもりで連合を訪ねたのだろうか。
★会談後、小池は「これまでつながりのあった皆さんを支援してもらいたいと話した。前原氏も含めてしっかりと連携したい」と、しがらみ政治の塊のようなコメント。神津は「私たちが支援している連合推薦候補を(希望の党立憲民主党の)どちらの党にいても、無所属であっても全力を挙げて支援していく」と無難に答えたものの、普段は決して仲の良くない連合の組織は民間労組、官公労の対立のみならず、組織内候補の分裂もあり、大混乱に陥っている。
★ことに郵政民営化から10年、日本郵政公社の職員で構成される組合員数約13万7000人の「日本郵政公社労働組合(旧全逓)」と、約8万3000人の「全日本郵政労働組合(全郵政)」の2大労組の統合から生まれた日本郵政グループ労働組合(JP労組)は、組織内でも希望と立憲民主に候補者が分かれるなど、また裂き状態だ。
★連合675万人のうち、情報労連22万人は希望の党支援を中止、航空連合3・5万人と海員組合8万人は、ともに運動員を出さず、自主投票。電機労連60万人は、希望と立憲民主の原発ゼロ公約に反対、運動員を出さずに自民支持へ。UAゼンセン160万人は、北朝鮮拉致被害者支援・外国人参政権反対で希望か自民へ。自動車総連75万人は、希望の党支持の姿勢。一部は自民支持。つまり民間労組は、表立って自民党支持を打ち出せた。これが小池らの連合破壊。目的達成だ。これで連合は、しがらみがなくなったのだ。(K)※敬称略

衆院選 消費税、改憲、原発争点に 3極の違い鮮明 - 毎日新聞(2017年10月6日)

https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171007/k00/00m/010/117000c
http://archive.is/2017.10.07-004727/https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171007/k00/00m/010/117000c


希望の党が6日、衆院選(10日公示・22日投開票)の公約を発表し、主要政党の公約がほぼ出そろった。主要争点は消費増税憲法改正原発の3テーマになりそうだ。「自民・公明」「希望の党日本維新の会」「立憲民主・共産・社民」の3極の違いが鮮明になっている。
2019年10月の消費税率10%への引き上げを巡っては、自民、公明両党は増税を前提に全世代型社会保障への転換や軽減税率導入を掲げる。それに対し、希望、維新両党はともに「凍結」を表明。立憲の枝野幸男代表も「現下の経済状況の中での増税は国民の理解は得られない」と否定的だ。共産党は「中止」を掲げ、「自民・公明」に対し「希望・維新」「立憲・共産・社民」の野党側2極が対決する。
「自民・公明」と「希望・維新」は改憲を明記した。これに対し、立憲は拙速な改憲に慎重で、共産、社民は改憲自体に反対だ。ただ、改憲側でも、公明は安倍晋三首相がこだわる9条への自衛隊の存在明記には慎重で、希望も距離を置く。目指す改憲の内容では温度差がある。
原発政策では、自民党原発を「ベースロード電源」と位置付けるが、希望は「30年までに原発ゼロ」、維新も既存原発の「フェードアウト」を掲げる。立憲、共産、社民各党も「原発ゼロ」で野党側が一致して政権と対決する。【樋口淳也、松井豊】

首相、「希望」含め改憲協力要請へ - 東京新聞(2017年10月7日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201710/CK2017100702000138.html
https://megalodon.jp/2017-1007-0912-31/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201710/CK2017100702000138.html

安倍晋三首相(自民党総裁)は六日、共同通信社との単独インタビューに応じ、改憲に向けて、衆院選政権公約に盛り込んだ九条への自衛隊明記など四項目について選挙戦を通じた論戦や、党内での議論を深めた上で、希望の党を含めて幅広い協力を要請する考えを表明した。衆参両院での改憲発議に必要な三分の二以上の議席確保を念頭に、新たな「改憲勢力」形成を模索する意向を示唆した形だ。
首相は改憲論議に関し「党内議論を深める中で、どの党にも理解を得たい」と述べた。希望の党は六日発表した公約で、九条改憲を含めて論議を進めると掲げている。
希望の党が消費税増税は立ち止まって考えるべきだと公約に盛り込んだことを強く批判。「何を主張したいのか分からない。経済政策も外交も立ち止まることはできない」と指摘した。
臨時国会での冒頭解散について森友、加計(かけ)学園の疑惑隠しだとの野党側の批判に対しては「そんなつもりはない。(衆参両院予算委員会の)閉会中審査で丁寧に説明をしてきた」と反論した。

「9条の精神 全人類に」 憲法理念訴えた元米兵死去 - 東京新聞(2017年10月6日)  

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017100602000321.html
https://megalodon.jp/2017-1007-1025-07/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017100602000321.html

日本の憲法九条の理念を世界に広げようと活動した元米兵でオハイオ大名誉教授のチャールズ・オーバービーさんが、九月に亡くなっていたことが分かった。九十一歳だった。日本の市民団体メンバーには今春、「九条の精神は全人類に不可欠」と話していた。くしくも衆院選憲法問題が争点の一つ。メンバーらは、「オーバービーさんの遺志を継ぐ」と誓う。 (辻渕智之)
訃報は、長女から「第9条の会・オーバー東京」の花岡蔚さん(74)=埼玉県狭山市=にメールで届いた。米ペンシルベニア州の高齢者施設で先月十八日に亡くなったと伝え、「朝鮮半島の情勢が父を苦しめていた」とも書かれていた。
元米軍のパイロット。沖縄の基地から朝鮮戦争に出撃した。中部大(愛知県)の客員教授だった一九八〇年代、広島の原爆資料館を訪ね、戦争の過ちを痛感。館から外に出るや、しゃがみこみ、頭を抱えたという。一方で、戦争放棄と戦力不保持を明記した九条を知り、「戦争の業火(ごうか)から生まれた永久の真理、いわば不死鳥だ」と感銘した。
米国で九一年に「第9条の会」を創設した。日本国内の文化人らによる別団体「九条の会」発足よりも十年以上早かった。呼応して東京や名古屋など日本にも会ができ、来日して講演や交流に励んだ。被爆して十二歳で亡くなった佐々木禎子さんと九条への思いをプリントした色紙で折り鶴を自作し、会う人に贈った。近年は、九条の理念を米国憲法に修正条項で盛り込むべきだと訴えていた。
花岡さんは今年四月に米国で会い、「九条を大切に守るだけでなく、世界に広げてほしい」との言葉を託された。
しかし、今月十日に公示される日本の衆院選では自民党が「自衛隊の明記」を含む改憲を公約。小池百合子東京都知事が率いる希望の党も六日に発表した公約で、九条を含め改憲論議を進めるとした。「自衛隊が九条に書き込まれたら、既に実質的には軍隊なのに、形式的にも完全な軍隊となってしまう」と危ぶむ。
花岡さんは米国でも勤務した元銀行マン。退職後は「楽団ひとり」と自称し、各地で楽器演奏をして自作の「平和音頭」も歌う。八日にも狭山市内のイベントに出演する。「オーバービーさんの功績を紹介し、原爆の炎と死の灰の中から九条が生まれたと伝えたい」
「オーバー東京」事務局の和田隆子さん(78)=東京都杉並区=も「憲法の一番の軸をどうするか。今度の衆院選で市民はちゃんと考えて判断しなければと思う。訃報にくじけず、遺志を継ぎたい」と話した。

英洋上風力発電、原発よりも電気料金が安価に - AFPBB News(2017年10月6日)

http://www.afpbb.com/articles/-/3145624

【10月6日 AFP】英国で、建設予定の洋上風力発電所から供給される電気の料金が、計画中の原子力発電所からの電気の料金を下回ることが明らかとなり、広大な原発の建設が疑問視されている。
ビジネス・エネルギー・産業戦略省は先月、新たな洋上風力発電所3か所の建設に伴う国の補助金受給のための入札結果を公表した。
イングランド(England)北部ヨークシャー(Yorkshire)地域の沖合に建設予定の世界最大規模となる洋上風力発電所「ホーンシー・ツー(Hornsea Two)」の建設は、デンマークの洋上風力発電大手ドン・エナジー(Dong Energy)が落札した。
ドイツのエネルギー関連会社イノジー(Innogy)とノルウェーの国営電力会社スタットクラフト(Statkraft)は、イングランド東部リンカンシャー(Lincolnshire)州沖での「トリトン・ノール(Triton Knoll)」洋上風力発電所の建設を、ポルトガル風力発電開発会社EDPレノバベイス(EDP Renovaveis)とフランスのエネルギー大手エンジ―(ENGIE)から構成される合弁企業は、スコットランド(Scotland)マリー(Moray)沖での洋上風力発電所の建設を落札した。
これらの企業は、実際の発電量に対して国から対価が支払われるいわゆる「行使価格」に入札した。
イングランド南西部で建設計画中のヒンクリーポイント(Hinkley Point)C原子力発電所については、メガワット時あたり92.50ポンド(約1万3700円)の買い取り価格が確保されているが、新たな洋上風力発電所3か所のうち2021〜2022年に操業開始を予定している発電所はメガワット時あたり74.75ポンド(約1万1200円)、2022〜2023年が操業開始予定の発電所については57.50ポンド(約8600円)と、その価格は同原発よりもかなり下回っている。
同省の声明によると、新たな洋上風力発電所3か所の発電容量は合わせて、360万世帯に電力を供給するのに十分な3ギガワット以上となる予定。(c)AFP/Roland JACKSON