【政界地獄耳】パーティーが「政治活動の源」は自民党昭和世代の議員の本音か - 日刊スポーツ(2024年6月19日)

https://www.nikkansports.com/m/general/column/jigokumimi/news/202406190000066_m.html?mode=all

★18日の産経新聞は「自民党派閥のパーティー券収入不記載事件で4月に党役職停止1年の処分を受けた林幹雄元幹事長代理が、28日に千葉市内で『勉強会』と称する政治資金パーティーを開く」と報じ、17日、取材に応じた林の秘書は「不記載は軽率だった。林議員本人も反省し、この半年間、毎週末、支援者らにおわびの説明をしてきた」と強調。その上で「パーティーを開くのは個人の政治活動の源だ。30年近くやってきた。人件費の維持などのためにも、ご理解をいただきたい」として、1人2万円の会費制で弁当付きの勉強会を開くという。
★役職停止処分を受けている中でのパーティー開催はいささか驚くも「政治活動の源」とは自民党昭和世代の議員の本音を秘書は話しているのだろう。以前より派手にせず、昼の弁当付きという策も遠慮が見える。「将来に禍根を残すような改革だけは、やってはいけない」「政治資金の透明性を図ることは当然だが、将来、国会議員を目指す若者が、政治資金を確保できないから政治を断念するのは甚だ残念だ」とは首相・岸田文雄との距離を広げつつある党副総裁・麻生太郎だ。自分が首相の時に無策で下野したことは棚に上げ、岸田降ろしを党幹事長・茂木敏充と画策する。
★若い議員たちの将来を考え、新たな知恵や方法を考えるのではなく、気に入らないから岸田降ろしをするという昭和の政治こそがこの裏金事件で問われているはずだが、それが理解できない政治家が自民党の中で大手を振っている限り、自民党は再生できない。手あかのついた政治手法のアップデートなくして自民党は国民から信用されない。確かに20万円から5万円に引き下がるのは「パーティーが政治活動の源」になっている議員には痛手だろう。だが、その法律に合わせて議員活動を身の丈に合わせていくことが必要ではないのか。なんでも今まで通りか、それ以上を望むより、企業が献金や寄付で名前が出るのを嫌がらない仕組みを考えるのが、ベテランの仕事ではないか。(K)※敬称略