【政界地獄耳】幹事長交代で後任は森山裕か石破茂か 秋に向けて自民党が動き出す - 日刊スポーツ(2024年6月7日)

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★結局、衆院では政治資金規正法改正を巡り、自民党が3度修正した改正案が可決、成立したものの参院への送致が遅れた。参院では23日の今国会会期末までに成立させるには審議時間が足りないと、月内までの小幅延長が検討され始めている。そもそもパーティー券購入者の公開基準額を現行の「20万円超」から自民党は「10万円超」と相当の覚悟をもって引き下げたが、世論の声は収まらず。公明党は「5万円超」への引き下げを要求。首相・岸田文雄は党内の声を押し切る形で公明党日本維新の会の修正要求を「丸のみ」した。

★政治家への寄付や献金を企業側は「お付き合い」とか「社会貢献」だと考えているが、自民党の荒っぽい処理や裏金に化けさせることに嫌気がさすわけでもない。枠が小さくなれば、来年からはその縮小された予算を執行するだけ。20万の献金枠が5万円に下がることになり、自民党議員にとっては相当な収入減になる。派閥もなくなり、幹部でなければカネがかかるのは私設秘書の人件費と小遣いや遊興費だろう。安倍派5人衆のように総裁選出馬を考える一部の議員が最も裏金を必要とするだろう。これを解決するには自民党の総裁選規程を改定し、限りなく公選法に準ずれば推薦人集めや、空手形、現金の動きが止まり、高級ホテルを借りた選対本部も必要がなくなる。

★この5万円枠縮小に激しく反対した幹事長・茂木敏充は党を守るより自分を守ろうとしたのだろう。会期延長の先には内閣の小幅な改造が考えられる。政治資金改正が終われば、次は総裁選だ。「総裁選挙を仕切る幹事長留任は考えられない。改造の目的は幹事長交代だ。そのために入閣の可能性も考え、『改造』としている。後任は総務会長・森山裕の横滑りか元幹事長・石破茂だろう。石破が受ければ岸田のためというより、党のための受諾となる」。秋に向けて自民党が動き出す。(K)※敬称略