【政界地獄耳】求心力低下する岸田文雄の「配慮」 自民党の未来はないと党内に不安広がる - 日刊スポーツ(2023年12月14日)

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★首相・岸田文雄は国会が閉会したことを受け、内閣改造を断

行する覚悟で、官房長官松野博一経産相西村康稔総務相鈴木淳司、農相・宮下一郎の4人と副大臣5人を14日に更迭させる。また参院幹事長・世耕弘成、党政調会長萩生田光一は辞任する。当初、官邸はすべての安倍派議員の排除をもくろんだものの、政務3役から除外する安倍派一掃計画を断念。政務官6人については安倍派に配慮し辞任は自主判断とする。自民党の中では「配慮」となるかもしれないが、党内からは派閥解消の声も聞こえる中で、この配慮は国民には日和見、求心力低下につながるはずだ。

★問題は党内力学ばかりに目を配っていても人材不足は否めず、官房長官の打診をした元防衛相・浜田靖一に断られ、国対委員長に滑り込ませるなど、岸田内閣への不信感は党内にも強まりつつある。「結局、派内から前外相・林芳正などを起用するしかなく、官邸も背水の陣と言える」(自民党中堅議員)。「首相は火の粉がかからなければ、問題ないと思っているのだろうか。閉会後の起こる風景を想像したら、自民党の未来はないのではないか」(同党若手議員)と不安が広がる。

★政界関係者が言う。「若手や中堅の議員は先輩議員から『自分で政治資金パーティーを開くと会場費、飲食代といろいろ固定費がかかり大変だ。だが派閥のパーティーに特化してノルマ以上売れば、その分が懐に入る。この方が固定費がない分、実入りが大きい』と派閥としてこの方が楽に稼げると奨励しているという話が聞こえてくる。派閥のパーティーに精を出す方が合理的というわけだ」。とはいえ岸田から見れば、元首相・安倍晋三が派閥の後継者を決めなかったから安倍派は混迷したとみる。派閥があり後継者がいるからこそ、派閥の意味やうまみがあるとの認識で派閥解消に消極的。願わくば安倍派だけ解体したいということか。(K)※敬称略