【政界地獄耳】結局選挙だけ 官邸入りできない公明 - 日刊スポーツ(2023年7月29日)

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自民党公明党は本当に仲がいいのか悪いのか。東京では協力関係解消を言い出したり、大阪では自らは「第2自民党」と言い出す日本維新の会との選挙協力を模索する。そもそも与党が野党と選挙区の調整をすることもおかしな話だ。自公両党は大人の対応をしながらもチクチクとけん制をしながら、1999年から野党時代を含む現在まで、自公連立政権は既に24年を数える。そのうちの15年ほどは内閣や首相が変わっても公明党国交相を独占してきた。

★18日、会見で公明党代表山口那津男内閣改造での国交相について「非常に国民生活に密着した、経済にも大きな影響を持つ重要な役割だ。そのポストは公明党にとり、これからも重要だ」と猛烈アピール。20日には04年から2年間、国交相を務めた同党副代表・北側一雄も「現場の声を聞いて政策実現する、これが党としての大事なところだと思っており、国交相はふさわしい」「大臣ポストを1つだけお願いしている。自民党公明党の連立政権を運営していくにあたって、重要なポストである必要がある」と言い出した。裏を返せば国交省という巨大な利権官庁を公明党の指定席としてやらせ続けていることもおかしいとは思わないのか。

自民党から国交省への陳情は自民党副大臣が担ってきたが、ここまで大臣を公明党が独占すれば付き合いは公明党を軸になるのは当然。公明党国交省のうまみを理解したのではないか。だが本当に公明党が連立与党の一員としての役割を果たすため閣僚ポストを求めるのならば、官房副長官首相補佐官のひとりなど官邸のスタッフに入ろうとはしないのか。巨大官庁のみならず国家の中枢たる官邸に1人も送り込んでいないのはなぜか。公明党関係者が言う。「元々官邸入りの打診はしてきたが、その都度、拒まれている」。結局、政策も違う、選挙だけの関係で権力の内側に関わらせる気はさらさらないということか。(K)※敬称略