【政界地獄耳】立ち位置不透明な公明党 - 日刊スポーツ(2022年1月14日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202201140000056.html

自民党と連立を組む公明党の立ち位置が不透明だ。昨年来、同党の衆院議員だった元財務副大臣遠山清彦は無登録で議員会館などを舞台に貸金業を展開。日本政策金融公庫の中小企業向け融資やコロナ禍で業績が悪化した企業などを支援する特別融資の仲介などしていた。共謀分を含め111回に上り、手数料として約1000万円の利益を得ていたとして、逮捕こそされなかったが在宅起訴された。公明党は一貫して参院法務委員長のポストを取り続けていたたまものと参院ではうわさされている。

★党代表・山口那津男は9日、「不信を招くような事態が起きたことは痛恨の極みで、深くおわびしたい」としたが、これでは過去の自民党の口利き疑惑と同根で、連立を続けていて公明党はここまで堕落したかというのが国民の感想ではないか。国交省による基幹統計の改ざん問題は安倍政権で公文書改ざんが常態化していたことを表すものだが、12日の朝日新聞によれば「政府が国会で『修正済み』と説明してきた20年1月以降の統計にも、複数の自治体で書き換えられたデータが含まれ、二重計上になっていた疑いがある」という。同省は長年公明党が大臣を拝命している。なお改ざんが続き、徹底されていないことに公明党はどう対応するのか。

★「敵基地攻撃能力」保有について山口は会見で「何度も何度も同じことばかり聞かれるので、いささか辟易(へきえき)しておりますけども70年前に示されたものは、非常に古い捉え方で、その後、能力として実装してこなかった」と答えたが、なぜ何度も聞かれるかといえば、この党はいつの間にかブレーキをかけていたはずがアクセルに変わる時があるからだ。11日、千葉市自民党の議員や県内の市町村長ら約750人を集めて開かれた公明党の新年会「22年公明党千葉県本部新春の集い」で山口は「日本の将来を揺るぎなきものにする決意」とあいさつ。それを心配しているのだ。(K)※敬称略