【政界地獄耳】政界全体が地盤沈下…無断欠席や遅刻の自民議員、政略方向性まるでなしの立憲 - 日刊スポーツ(2023年4月15日)

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統一地方選挙の前半戦が終わり、後半国会も動き出している。選挙の結果は各党悲喜こもごもだろうが、のちの国政選挙の足腰となる地方議員の議席だけに現職は人ごとではいられない。それゆえ国会の委員会で理事会に代理を立てずに無断欠席や遅刻をする自民党議員が相次いで、12日の衆院国土交通委員会では野党が反発、審議が止まる事態にまで発展した。

自民党国対副委員長・盛山正仁は「事務所に電話しても電話も通じないというようなことがございまして、昨日は例えば某委員会では委員会がストップするというような事態もございまして、ぜひとも委員会に出席するのが基本である、本会議も基本である」と子供か素人のような語り口で同党議員をたしなめた。与党自民党のこの体たらくは今までもあまり例を見ない。党の部会であろうともベテラン議員になればなるほど、早く席に着いているので、若手は遅れることができない。結果定刻前には会議が始まるということが常であった。それは小選挙区制度になり選挙区では一国一城のあるじとなる議員は若手であろうともその権力を握る。派閥に入らなければ教育する人、たしなめる人もいない。それでも自民党国対が教育の場であったり、さまざまな投網をかけて若手をしつけ、生来の大器を育成するのが政党の仕事だったはずだ。

★野党第1党である立憲民主党も同じだ。そのほかの野党は立憲の動き、反応、対応を見て政局観を磨く。野党の代表として、そして与党を目指し国会論戦・運営を展開し、政権・与党構想を有権者に語り、与党に問い切磋琢磨(せっさたくま)していくものだ。だが今の立憲民主党には過去の野党にあった政略方向性がまるでない。出たとこ勝負でトピックスに飛びつき、最後は与党に寄り添う。今、与党と全く違う政策で戦える野党がどれほどいるか。政界全体の地盤沈下に歯止めをかける方法が見当たらない。(K)※敬称略