(政界地獄耳) 安住の活躍 枝野の尻に火 - 日刊スポーツ(2019年10月31日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201910310000133.html
http://archive.today/2019.10.31-005215/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201910310000133.html

★無所属で活動していたものの9月に立憲民主党に入るなり、入党日に国対委員長に就任した安住淳。前任者の辻元清美自民党国対に尻尾を振り続けていたのに比べ、対決姿勢が強く野党国対は一気に勢いづいている。開会日に衆院議長の発言にアヤをつけ開会時間を遅らせたことに始まり、台風19号被害と関西電力役員らの金品受領問題を巡り集中審議を要求。「自民党憲法と言っているが、憲法よりまず関電だ。このまま終わるわけには絶対いかない。(与党が)受けないと、全体に大きな支障を及ぼすことになる」と巧みにさばく。

★政府に通告した質問の内容が事前に外部に漏えいしていた問題も「質問通告は役人しかわからないことだ。それをネットを使って攻撃したというのは非常に深刻だ」と国会内の森羅万象に反応する。辞任した前経産相菅原一秀には「国会の日程に迷惑をかけるから辞めるというのは筋違いもいいところ。委員会で説明できないんでしょ。説明してから辞めるべき」と言い放ち、返す刀で集中審議を求めたり、「身の丈」発言で謝罪・撤回した文科相萩生田光一にも撤回では済まないと詰め寄り「英語の試験中止」を訴えるなど本来の野党国対らしさが出て来た。

★また、共産党と野党各党には距離があるとして、同党委員長・志位和夫を国会内で立憲民主党や国民民主党統一会派幹部らと懇談させたが、これも呼びかけたのは安住だった。そこには無所属で元建設相・中村喜四郎まで参加し、極めて異例の志位・中村の懇談と話題になった。政権への打撃には予算委員会での質問だけでなく、国会の中の空気と国民の声を同化させる力が必要。安住は役割以上の活躍だが、それに比べ立憲民主党代表・枝野幸男の攻撃トーンが低い。「安住の活躍は面白くないかもしれない。これでお山の大将でいられなくなる」(立憲民主党中堅議員)。野党は活気づくも火種は増えたか。(K)※敬称略