【政界地獄耳】今までの自民にない仲間見捨てた空気 立民、共産にも党内を整理する動き - 日刊スポーツ(2023年4月11日)

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統一地方選挙前半が終了。次期幹事長の声も挙がる自民党選対委員長・森山裕は「堂々と政策を訴え、国民に評価していただいた結果である」としながらも「保守分裂」で敗れた奈良県知事選は「候補者調整で少し反省しなければならない」と述べた。立憲民主党選対委員長・大串博志は「全国でアゲンストの風を受けた戦いとは思っていない」と強がるものの、自らが自民党候補に「必勝」の為書きを平然と書く神経ではわかるはずもなかろう。

日本維新の会代表・馬場伸幸は手応えを感じているようで、定数が9減った大阪府議選は地域政党大阪維新の会が告示前の46議席から55議席に躍進。単独過半数を維持し、議席占有率を7割近くにした。自民党は現職落選が相次ぎ15議席から7議席に減らした。壊滅的なのは共産党だ。定数53の新潟県議選では共産党候補2人がいずれも落選、改選前の1議席も守れず。定数87の福岡県議選では出馬した6人がいずれも落選。改選前の2議席を維持できなかった。同党の牙城ともいえる京都は府議会が12議席から9議席、市議会18議席から14議席と後退。市議会は第2党を維持したものの維新と同数になった。

★現状維持はできたものの維新に勝てない自民党、存在感を示すことができない立憲民主党現有議席を守り切れない選挙区が多く出た共産党自民党は政治とカネや旧統一教会問題は影響しなかったと思っているかもしれないが、経済安保相・高市早苗奈良県知事選挙で首尾よく調整できなかったことも含め、今までの自民党にはない仲間を見捨てた空気は漂わなかったか。立憲民主党もその高市総務相時代の行政文書で攻撃した小西洋之をその後の「サル」発言で執拗(しつよう)に攻めなかったか。共産党も規約を盾に改革の提案などをした党員たちを除名するなどいずれも党の都合で党内を整理する動きを見せたのではないか。そこに国民は不在だし、敵はどこにいると思っているのか。(K)※敬称略