【政界地獄耳】参院の立憲民主党質問に光るもの 旧統一教会問題も過去のものにしない決意 - 日刊スポーツ(2023年3月29日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202303290000073.html

★28日の参院本会議で一般会計総額114兆3812億円と、過去最大となる23年度予算は与党の賛成多数で可決、成立した。今国会では派手な振る舞いばかりの衆議院に比べ、参院立憲民主党の攻め方に光るものが多かった。ことに当初から防衛費増強ありきの議論で、その財源で大騒ぎした衆院のアプローチに比べ、防衛費問題の本質論に切り込んだ質問を続け、放送法に関する総務省の行政文書を巡る問題は同党参院政審会長・小西洋之が持ち込んだネタだが、総務省が小西が公表した文書と省内に保存している行政文書が同じと認め、78ページの文書全文を公開したところまではよかったが、文書作成時に総務相だった経済安保相・高市早苗が「捏造(ねつぞう)でなければ、議員を辞職する」と発言すると、そこに飛びついて高市のクビにこだわってから手詰まりとなった。

★また国民の記憶から消え去ろうとしていた旧統一教会問題を立憲民主党は基本に立ち返る質問をもって過去のものにしない決意を見せた。同党の石橋通宏は27日の参議院予算委員会で「統一教会に対する解散命令請求、これ我々ずっともうとにかく去年の段階から出すべきだと申し上げておりますが、いまだに質問権の行使を繰り返されて、総理もういいかげんにしませんか」と詰め寄った。首相・岸田文雄は「解散命令請求の適否を判断するためにも、まずはこの報告徴収・質問権を効果的に行使する」と述べるにとどめた。朝日新聞によれば地方議員の政務活動費について、使途が旧統一教会の関連だったと判明したという理由で、少なくとも全国21自治体の議員計41人が、今年1月までに政活費を返還したり修正していたという。一方、同じ支出先でも返還・修正しない議員もいるし、選挙用の演出とみる向きもあるかもしれない。この問題は何一つ終わってはいないことを改めて感じさせた。(K)※敬称略