【政界地獄耳】コロナ、戦争、銃撃、汚職…22年を振り返る - 日刊スポーツ(2022年12月31日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202212310000085.html

★この1年を年末に振り返ろう。1月、全国34都道府県ではコロナのまん延防止等重点措置が適用され、正月気分の国民も商店も冷や水を浴びるような状況から今年はスタートした。2月にはロシアがウクライナに電撃侵攻。短期の紛争という見方を裏切るように、ウクライナの反撃が続き、いまだ戦況は一喜一憂の状態だ。だがウクライナの小麦の流通不安や戦時下の石油品薄感から、世界的にエネルギー費用が高騰。物価高が世界を襲う。日本もその影響をストレートに受け、コロナ禍後を当てにしていた景気はいまだ低迷している。

★4月、知床半島沖で観光船が沈没。ずさんな観光船管理などが大きなニュースになったが、そもそも国交省の検査などが問われた。5月。沖縄復帰50年を迎えたが、この50年間で自民党沖縄県、鹿児島県選出の議員の質が著しく低下。それを監視する野党は壊滅的で、本気で沖縄を考える政治家が激減していった歴史が、そのまま現代に積み残されたといえる。7月、参院選応援中の元首相・安倍晋三が銃撃され死亡。直後の参院選自民党が改選過半数を上回り、比例では日本維新の会立憲民主党を上回る。

★同月、東京五輪汚職組織委員会元理事に強制捜査。安倍銃撃で旧統一教会自民党との関係が明らかに。泥沼の宗教疑獄に。旧統一教会との関係を断つと首相岸田文雄が宣言し第2次岸田改造内閣発足。この内閣はずさんな内閣で、5カ月で5人が更迭される。旧統一教会との関係が深かった経済再生相・山際大志郎が更迭。11月には法相・葉梨康弘が不規則発言で、総務相・寺田稔を政治とカネで更迭。今月に入ると政治資金や公選法に抵触する復興相・秋葉賢也、過去に差別発言を繰り返す総務政務官杉田水脈を更迭した。組閣の失敗は明らかだった。9月。安倍国葬に4200人参列。10月には円安が加速した。来年はどんな年になるのだろうか。(K)※敬称略