【政界地獄耳】8月24日はウクライナとロシアの特別な日 - 日刊スポーツ(2022年8月24日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202208240000089.html

★22日、インタファクス・ウクライナ通信はウクライナ軍総司令官・ワレリー・ザルジニーが2月24日のロシア軍による侵攻開始以来、9000人近いウクライナ兵が死亡したことを明らかにしたと報じた。既にこの戦争は今日で半年を迎えた。そしてこの24日はウクライナにとって、いやロシアにとっても重大な日といえる。1991年、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国が主権宣言を行うと、ウクライナソビエト社会主義共和国は8月24日、国家の独立を宣言した。これに伴いウクライナ共産党は解散し、国名もウクライナ共和国を経てウクライナに改められた。つまりウクライナは今日、独立記念日にあたる。

★ロシア語で「再建」を意味するペレストロイカをスローガンに掲げて登場したのが54歳のゴルバチョフ。新書記長は改革を断行するとともに、グラスノスチ(情報公開)を進める。当然、民主化が進むものの共産党幹部の特権的な生活も明るみに出る。米ソ間では核軍縮が成立した。しかしこのままの体制を守りたい共産党守旧派(保守派)の反対にあいゴルバチョフの改革路線は暗礁に乗り上げる。しかし89年にはポーランドハンガリー東西ドイツベルリンの壁の崩壊、チェコスロバキアビロード革命ルーマニアチャウシェスク独裁政権崩壊とソ連の改革の灯が周辺国に飛び火して衛星国で立て続けに革命が起こる。

★91年8月。夏季休暇中でゴルバチョフクレムリン不在の中、保守派のクーデターが起こるが国民が改革派となりクーデター失敗。バルト3国や旧ワルシャワ条約機構のほとんどの国が欧州連合の一員となり多くがNATO加盟となった。8月24日はウクライナには独立記念日。しかしロシアにとっては連邦崩壊の忌まわしい歴史の日でもある。(K)※敬称略