【政界地獄耳】プーチン大統領、北方領土も返還する気なし ウクライナ侵攻は覇権主義の発露か - 日刊スポーツ(2022年2月24日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202202240000043.html

★ロシアのプーチン大統領覇権主義の発露といえばいいのか、それともソビエト連邦では同じ国だったものを取り返しただけだというのだろうか。本来ウクライナは誰のものかといえばウクライナ国民のものであるはずだが、プーチンにはそれが通用しない。それならば北方領土の返還も同じ手法で最初から戻す気などひとつもないのだろう。プーチンウクライナ東部の親ロシア派支配地域の独立を承認し「ドネツク民共和国」と「ルガンスク人民共和国」が生まれた。

★もっともロシアが承認したものの、ウクライナ自由主義陣営も欧州もNATOも米国も認めてはいない。ついでに日本も米国追随だからか、G7の一翼だからか知らないがこの独立を認めてはいない。「ドネツク」と「ルガンスク」の関係者を対象にビザ発給を停止、資産の凍結、両地域との輸出入と日本国内でのロシア国債の発行、流通禁止などの対ロ制裁を発表した。地政学的な駆け引きはこのまま、長期化するかもしれないが、米国や欧州が打開策を見いだせるか、外交工作は続くのか。冬季五輪が終わり遠慮がなくなった中国がどんな対応を始めるか、物語は次のステージに進みそうだ。

★さて、この独立承認だが国民、領土、政府、そして主権を基に他国と関係を築く力が、国家成立の4要件と言われる。「ドネツク」と「ルガンスク」が独立を宣言しロシアが承認すればと思いがちだが、両国の政府はロシアの傀儡(かいらい)にならないか、経済システムはウクライナ仕様かロシア仕様か、ウクライナ政府と国民の同意はあるか、国連が賛同していないなど昨今の独立は定義通りにはいかない。プーチン対国際社会の戦いは浮力で押し切れば勝ちとなるのか。(K)※敬称略