【政界地獄耳】世界中の政治家があらゆる力を発揮し即時停戦を - 日刊スポーツ(2022年2月25日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202202250000084.html

★国内のガソリンを安くするために与党の予算案に賛成すると正当化したことを大政翼賛化した野党の政権へのすり寄りだとほかの野党が言うのは結構だが、日本の国会議員や政党、議会の仕事はガソリン高騰の元凶であるウクライナ危機をどう収めるかの知恵を出すべきではなかろうか。既に株価も下落を始めている。経済の浮揚の優先順位は戦争回避だ。野党がわざわざガソリン値下げのために予算案に賛成しなくても与党多数で来年度予算は難なく通過する。そんな詭弁(きべん)を弄(ろう)するより、戦争回避の知恵と努力をすべきだ。

★この半月、米バイデン大統領をはじめ米政府の閣僚級高官は「戦争になるぞ」と国際社会に警鐘を鳴らしながら、ロシアをけん制してきたが、ついにこの時がやってきた。ロシアの軍事作戦が始まった。ロシアは武力を使ってウクライナを非武装地帯化しようと動き出した。ドイツでは仏ルドリアン外相が独ベーアボック外相と会談、ロシア・プーチン大統領についてルドリアンが「公式であれ非公式であれ、相手がマクロン大統領でもショルツ首相でも、約束を守らない。どうすればプーチンの言葉を信じられるのか」と言い、ベーアボックも「1週間前の発言と逆のことをする。本当のことを言っていなかった、少し分かりやすく言うと、うそを言っていた」と愚痴とも非難ともいえる発言を繰り返した。それでも彼らは戦争回避の努力をした。

★さあここからはウクライナ・ゼレンスキー大統領がルガンスク人民共和国ドネツク民共和国両代表とロシア、ドイツ、フランスが集う会議を実現させることにあるだろう。世界中の政治家はその実現にあらゆる力を発揮して即時停戦を勝ち取るべきだ。(K)※敬称略