https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202202260000074.html
★国民民主党の来年度予算案賛成は政治的には大きなシグナルが2つあった。当初は国民民主党代表代行・前原誠司を軸とした維新との連携・合流を進めていたものの、連合の自民シフトの動きが思いのほか早く、都民ファーストとの連携・合流を党代表・玉木雄一郎は進めた。ところが都民ファースト特別顧問・都知事・小池百合子が、この動きにさほど積極的でなく、ぐずぐずしていた。
★しかしこの予算案賛成で、維新との連携は消えたといっていい。維新の実態は自民党の別動隊のような行動をとる場合があるが、立ち位置は野党でいなくては「改革の党」を演出できない。国民の対応は維新とは相いれないだろう。だが国民・都民の接近は自民党東京都連や都議会公明党を強く刺激する。玉木は都民との連携にもブレーキをかけざるを得ないだろう。ただ国民民主党は1度予算に賛成すれば、さまざまな局面で野党の立ち位置で与党に反対することの方が難しくなる。慎重な対応ながらもほぼ与党案に賛同、または超党派的固まりを作って与党化を進めていくだろう。
★24日、自民党選対委員長・遠藤利明は22日に首相・岸田文雄と話したこととして、「国民民主党からの提案には真摯(しんし)に対応するが、公明党との関係をより一層大事にしなければならない」とした。つまり今後は自公連立に参院選挙後、国民民主党が加わることを念頭に政局が動き出すことを示唆している。ただ、国民の連立参加は連合の窓口としての役割ということだろう。維新と都民を嫌い、自公民連立が視野に入ったとみるべきだろう。このアドバルーンでどこからハレーションが生まれるか分析しながら、野党を崩壊させていく方針が固まった。(K)※敬称略