【政界地獄耳】連合が与野党の間でサンドバッグになる末路も はしゃぐ芳野友子に広がる不安 - 日刊スポーツ(2022年4月20日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202204200000067.html

★既定路線といえる国民民主党参院選後の連立与党入りと支持母体の連合の自民党へのすり寄り。自動車業界が世界水準となる電気自動車に変わることで構造改革が進むと、例えば車1台に必要な部品が現在の半分で済む、車検の是非など業界を取り巻く仕事や業態が一変することなど、産業界をリードしてきた自動車産業が大きく変動することから、官学産+労組の一丸化が不可避という事情から始まった。

★国民民主もガソリン価格の高騰からガソリン税の一部を減税する「トリガー条項」の凍結解除が予算案賛成のきっかけとなった。つまり自動車産業の劇的変化で国民民主と連合は自民党にはせ参じたことになる。ところがここにきて国民民主内や連合内部からもこの動きに疑問の声が出ている。与党入りに前向きな党代表・玉木雄一郎国対委員長古川元久などから全国の地方議員はいまだきちんとした説明もなく困惑している。

★ある組合関係者は「国民民主議員と労組関係者の会合でもこの話題は一切出ない。そこには立憲民主の議員もいるが誰も聞かないし誰も話さない。いつも微妙な空気だ」という。別の労組関係者は18日の産経新聞の「自民は連合に接近し、夏の参院選野党勢力の分断を図ろうとしている」を読んでつぶやく。「与党は数が足りないわけではない。玉木らの与党病や産業界の大変化におびえる連合らにつけ込んで、野党の分断を図れればいいのだとすれば、選挙後に自民党から捨てられる場合もあるだろう。政策的折り合いがつかず、幾人かの国民民主議員が与党入りするだけで終わるかもしれない。ところが1度かじを切り機関決定した労組は急転換ができない。連合が与野党の間でサンドバッグになる末路も懸念すべきだ。1度与党と組んだら野党には戻れない」。連合会長・芳野友子のはしゃぎぶりから、その不安は広がるばかりだ。(K)※敬称略