【政界地獄耳】維新と立民は共闘できるか 政権交代へ「最大のチャンス」立民野党第1党の気概 - 日刊スポーツ(2024年3月14日)

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自民党の体たらくが続く中、日本維新の会が24年活動方針案を発表。維新は政界では与党とも野党ともつかない変幻自在の豹変(ひょうへん)政党と言われ、党の都合で方針が変わる「ゆ党」と言われてきた。ことに保守政党を自認することから、立憲民主党共産党と接近することを極度に嫌う。では同様に共産党嫌いの国民民主党となら組めるかと言えば、今度は労働組合が嫌いと言い出す。すべて思い通りに行くなら政治は苦労しない。政治は可能性の追求だと思うが、少ない妥協でいかに成果を上げるかのバランスが悪い政党と思われてきた。

★12日に判明した活動方針案は24日の党大会で採択される予定だが、次期衆院選の目標として野党第1党獲得に加え、新たに与党過半数割れの達成を明記した。これらの目標を「通過点」とし「今後10年での政権交代」を掲げた。無論、進捗(しんちょく)状況の芳しくない大阪万博の議論をそらし自民党批判に転じることで、万博失敗の責任論を抑えたい考えはあるだろうが、活動方針は野党共闘に一定の可能性を見いだしているとみられる。「党の根幹は地方議員」とし、地域政党の意義を強調しながら地域政党から全国区に党勢を拡大するためには、既成野党との連携が効果的との判断もあるだろう。今は不祥事のデパート化した自民党に対して、以前は維新も政治とカネ、パワハラ、セクハラなどが発覚。決して自慢できる政党とは言えなかったが、体質改善の意思も強い。

★12日、テレビ番組で元首相で立憲民主党野田佳彦は「政権を取りに行く最大のチャンスを迎えている」「もう乾坤一擲(けんこんいってき)の勝負だと思って、特に野党間の連携は、やっぱり長男である第1党がいろいろのみ込んでまとめていくということ」と野党第1党の気概を見せた。政権交代のためには、日本維新の会を含む他の野党との共闘が重要だとし、共通政策で合意し、選挙協力ができれば、自民党の一部との連携も視野に政権交代は可能との考えを示した。維新と立憲がどの程度合意できているかはわからないが、野田の途中経過の報告とみられる。(K)※敬称略