【政界地獄耳】野党共闘を示唆した国民玉木 世論の機運つかめるか - 日刊スポーツ(2024年2月8日)

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★4日に投開票された京都市長選挙は自民、立憲民主、公明、国民民主という与野党の相乗り選挙だったが、元官房副長官松井孝治共産党が支援した元京都弁護士会副会長・福山和人に競り勝った。松井は福山と1万6000票差の薄氷の勝利だった。福山に共産は推薦を出さず、支持にとどめたが、それが無党派票をまとめた格好だ。

★同日投開票の群馬県前橋市長選は、4期目を目指した山本龍と前県議で新人の小川晶が激突。いずれも無所属で出馬したが、現職は自民・公明が推薦、小川は連合群馬が推薦した。群馬は保守王国。県選出の国会議員は衆院5議席参院2議席とも自民が独占。まして党選対委員長・小渕優子がついていたが及ばなかった。いずれも自民党色を薄めたものの、自民党への国民の怒りは大きく、歯が立たなかったというのが本音だろう。過去にも1993年、細川政権が出来る直前には都議会選挙で大きな変化が起こった。総選挙は自民党から分裂した小沢一郎らの改革フォーラム21や新党さきがけは勝ったし、自民党も票を減らさなかった。減らしたのは当時の社会党で、その分が日本新党の勝利につながった。当時も自民党長期政権下の政官業の癒着構造、政治とカネなどの世論が渦巻いていたが、自民党よりもだらしない社会党への批判として現れ、連立政権に突破力を期待した格好だ。

★7日、国民民主党両院議員総会で昨年11月に国民が23年度補正予算に賛成したのと引き換えに再開されたトリガー条項をめぐる与党協議の離脱を正式決定した。ただ与党は国民民主党が昨年末の内閣不信任案に賛成したことに強い反発があった。党代表・玉木雄一郎は「政策の一致する他の政党、野党と連携していくことは当然、選択肢に入ってくる」と野党共闘を示唆したが、2度にわたるトリガー条項へのこだわりと失敗の責任論もくすぶる。地方選の流れや勢いを見れば野党結集せざるを得ない状況を玉木も認めざるを得ない。さてどうなるか。(K)※敬称略