【政界地獄耳】自公、喉もとに刺さった小さなトゲ - 日刊スポーツ(2022年1月18日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202201180000069.html

★17日、通常国会が召集された。年末の国会では野党の質問に低姿勢で直接対決を避け、謝罪もいとわぬ安全運転だったが、当時はコロナ禍も落ち着いており、短期間の国会だということもあったが、6月までの会期では準備できる範囲にも限界がある。本当の岸田政権の実像はこれからなのである。今回の施政方針演説も安全運転だったが、今年は沖縄をはじめ地方選挙が多い。7月には参院選挙がある。岸田政権が長期化するか否はこの選挙にかかっている。

★外に目を向ければ中国で2月から冬季オリンピック(五輪)、3月には韓国で大統領選挙、4月にはフランス大統領選挙、5月にはフィリピン大統領選挙となかなか忙しい。世界のコロナ禍と経済再建に興味が尽きない。首相の新しい資本主義実現会議の答申は6月だが、世界経済の状況は無視できまい。一方、今年後半には、9月に日中国交回復50年がある。米バイデン政権は11月に中間選挙。昨年末から年明けにかけて首相は日米首脳会談を直接会って実現させたかったが、うまくいかないのはバイデン政権に余裕がないことと、日米間に重大課題がないとの認識なのだろう。

★一方、内政は複雑だ。公明党が夏の参院選をめぐり、自民党との相互推薦による選挙協力を見送る方針を、地方組織幹部に通知したことが分かった。先の総選挙では維新と公明党の複雑な選挙協力も露呈し、そのおかげで大阪の自民党は壊滅的敗北を喫した。自公両党はそのことをお互い触れないが、喉元に刺さった小さなトゲがだんだん大きくなっているのかもしれない。前政権まで役職についていて閑職になったベテランたちの動きも水面下に潜ったようだ。のらりくらりとかわしてきた岸田政権の戦法はどこまで通用するのか。(K)※敬称略