(政界地獄耳) 河井夫妻ショックの最悪な後始末 - 日刊スポーツ(2021年2月4日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202102040000120.html

★19年7月の参院選をめぐる大型買収事件で、公職選挙法違反で有罪判決を受け自民党を離党した参院議員・河井案里被告が3日、議員を辞職した。広島をはじめ多くの政界関係者は、遅すぎた決断に安堵(あんど)の表情を見せる。ただこれは連座制で失職するのを恐れた結果だというのが政界の冷静な見方。公選法違反で失職となれば当選無効と扱われ、国会議員であったことが歴史から葬られ「元参議院議員」という肩書でもなくなるという寸法だ。

★また同日の報道では、衆院広島3区で出馬を表明している公明党副代表・斎藤鉄夫(比例代表中国ブロック)の候補者一本化が自民党山口泰明公明党・西田実仁両選対委員長の会談で合意されたという。自民党広島県連が推し、既に出馬表明している広島県議・石橋林太郎は比例に回る。官邸が公明党との関係を優先した結果といえる。広島3区公職選挙法違反事件をめぐり自民党を離党した元法相・河井克行被告の地盤だ。

★これが自民党としてのけじめなのかどうかは、有権者が決めることになるが、広島県連レベルでは河井夫妻ショックの後の処理としては適切だったろうか。「石橋は河井夫妻とは距離があり県内保守層の結集には適任だった。無所属で出馬すれば斎藤は当選できなかったかもしれず、比例に移ってもらう必要があったのだろう。今後広島3区自民党は候補者を立てないということになる。最悪の結果だ」(広島政界関係者)。

★そうなると、自公政権の批判を集めて立憲民主党の新人、ライアン真由美が注目されることになる。では河井案里辞職に伴う4月の参院広島補選はどうなるのか。立憲は、既に候補者の最終調整に入っているようだ。(K)※敬称略