(政界地獄耳) 予算委開かぬ与党のおごり - 日刊スポーツ(2019年5月31日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201905310000054.html
http://archive.today/2019.05.31-044402/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201905310000054.html

参院選挙を控える後半国会は予算委員会を与党が開かないという暴挙が続いている。「選挙前に与党に攻め込みたい野党に対して委員会を開かずに国民に与党の弱点をさらしたくないのだろうか」(野党幹部)というほど国会は停滞している。4月の統一地方選挙、大型連休と皇室行事、それにトランプ米大統領の来日と行事が続いたのは事実だが、本来、予算委員会はその合間を縫ってでも開くべきだろう。

自民党国対委員長森山裕の言い分はこうだ。「来週までにはめどがつくと思う。今の提出されている法案については、会期延長を考える必要はないと思う」。会期通りに閉会すれば参院選は7月21日に行われることになる。自民党は何を浮足立っているのか。どんな法案も与党が多数でありさえすれば成立する。ただ、その間に与党や政府では気づかないことや、不備を、多くの人の目に触れて議論し、より精度の高いものにするのが与野党国会議員の役目だ。

★法案対策だけではない。この間、皇室が抱える問題、首相・安倍晋三が米国に対していろいろ安請け合いした可能性のある約束などについて国民は聞きたいことだらけだ。それを森山の一存でなど、おごるにもほどがある。森山は予算委員会を開かずとも「個々の委員会で議論すべき。対応できる」としている。それは答弁する与党が決めることではない。野党が聞きたいことがあれば開くべきだろう。

★これで来月26日の会期末が確定的になったが、与党・公明党幹事長・斉藤鉄夫は30日の党中央幹事会で、自民党前五輪相・桜田義孝が「子どもを最低3人くらい産むように」などの発言について「与党としてのおごり、ゆるみだ」と批判したが、自民党と歩調を合わせている限り、公明党にも当てはまることだと付記しておきたい。(K)※敬称略